2013年06月05日
AKフルオート射撃

7.62×39弾は、5.56NATO弾に比べてやっぱりキックが強烈です。「アサルトライフルを撃ってる」って感じが十分に体感出来ます。撃ち終わった後に思わず「快・感」と言いたくなるのが分かります(世代的について来れてない方います?)。
AKはバットストック・プレートが金属製のツルツルしたやつですので、固定が難しくよく滑ります。写真手前の射手も真ん中の射手も、この構え方はフルオート射撃には向かないんですが、気を付けないと普段通りの構え方になってしまうんですね。彼らはこの後、フルオートAKの洗礼を浴びました。肩から上腕にかけて、青あざ祭りです。特にキックの強い銃をフルオートで撃つ時は、バットストックの固定と反動のコントロールのために、それなりの構え方が必要なんです。
このコースは、フルオート射撃と戦術に特化したコースで、1日(8時間)で1,000発撃ちました。ただ、フルオートの悲しいところは、射撃している時間よりも給弾に費やす時間の方が格段に長いです。時間をかけてマガジン10本に弾込めても、いざ撃ったら1本あたり4秒足らずで空になりますからね。
AKの反動が強いのはもちろん弾の威力が強いことに繋がりますが、実は200mを超えた辺りからは、5.56mm弾の方が貫通力は高いです。あと、「弾の威力」とは貫通力や衝撃力のことであって、いわゆる「ストッピング・パワー」とは別物です。と言うか、現実世界にはそもそも「ストッピング・パワー」なんて物は存在しません。これについては、追々解説したいと思います。
2013年06月03日
TCCC/CLS訓練とは?


TCCCは、Tactical Combat Casualty Careの略で、簡単に言えば米軍の最先端の戦闘衛生プログラムのことです。NATOや同盟諸国でも取り入れられており、自衛隊でも研究段階にあり一部部隊では試験導入済みです。CLSとは、Combat Life Saverの略で、TCCCに基づいた米軍内での訓練プログラム(及びプログラム修了者に与えられる資格)です。要は、戦場で速やかに適切な処置を施していれば助かる可能性の高い3つの症例に重点を置き、衛生兵のみならず一般兵でも処置が出来るようにするために専用の医療キット(IFAK等)の取扱いと戦術を訓練するためのプログラムです。災害時のケア等といった民間のケースには必ずしも全てのスキルを適用することは出来ませんが、欧米ではSWAT等の警察系特殊部隊の訓練プログラムの一環にもなっており、犯人との交戦時に負傷した隊員の素早いケアと生存率の上昇に繋がっています。
写真はTactical Responseでの戦闘衛生コースのものです。このコースには、筋肉注射(モルヒネ注射)やIV(点滴を含む静脈内注射)なども含まれます。もちろん、本物のモルヒネを使う訳にはいきませんので、筋肉注射もIVも生理食塩水を使用します。教場で座学と実習を終えた後に射場に移動し、実弾射撃環境下で演練します。インストラクターが負傷者をランダムに指定してシナリオを与えますので、チームはその状況に応じた適切な処置を施します。処置後、自力で移動出来ない者については、リッター(簡易担架)に乗せて運びますが、普段からでかくて重い欧米人がフル装備着けていますので、死ぬほど重たいです。ですので、このコースだけは皆が筋肉痛になります。このコース実は、体力的に一番キツイやつです、はい。