2013年12月31日

2013年総括

 本年も残すところあと1時間を切りました。2013年はSWTにとっての初年度でしたが、色々なところに出向き多くの方々と会うことが出来ました。
2014年は更に活動を活発化して行く所存です。

 今年は警察官を初め、海上自衛官、陸上自衛官の方々にトレーニングを施すことが出来、こちらも勉強になりました。既にリピーターとなって頂いた方々を始め、これから別コースを受講される方々にも感謝の意を表したいと思います。

 初年度のトレーニングを振り返って受講生の比率を見直したところ、公務員99%・民間人1%でした。2014年はどうなるでしょうか。非常に楽しみです。

 また、来年からはプロ用コースが新体系へと移行します。加えて両コースにメディカル・コースが加わる予定です。詳しくは当ブログにて発表致しますので、お待ち頂けますようお願い致します。

 2014年が皆様にとって、良いお年となりますよう願っております。今年1年間お疲れ様でした。


 Shadow Warriors Training代表/インストラクター  田村義人  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:07その他

2013年12月26日

トリガーフィンガー


 写真は25日にロイター通信が発表した「ピクチャーズ・オブ・ザ・イヤー2013」の中の1枚です。紛争地帯の子供達を撮影した写真のうちの1枚です。「おもちゃの銃で遊ぶアフガニスタンの子供達」とのタイトルですがこれを見てどう思われますか?

 玩具とはいえ、他人に銃口を向けており、引き金に指がかかっています。この子達が本物の銃を手にすることがあった場合、何が起きるでしょうか?その時点で実銃の怖さが分かっていれば銃口をむやみに他人に向けたりはしないでしょうが、十中八九、引き金には指をかけていることでしょう。

 「銃を撃つ際には引き金を引く」といった情報が周りの人物、テレビや映画の影響によって気付かないうちに脳にインプットされます。そうすると「銃を握る時は引き金に指をかける」との公式が無意識的に頭の中で構築されてしまい、結果として銃を手にすると自然と引き金に指をかけてしまうことになります。銃に関する正しい教育を受けていないとこのようになってしまうのです。これは紛争地域だけに限ることではありません。銃大国であるアメリカでも起こっている現象です。

 さて、日本国内に目を向けてみましょう。ブログやHPに掲載されているゲームの写真で、同じような光景を見たことはないですか?私はゲーム中の写真を言ってはいません。集合写真など、ゲームの前後の状況を撮影した写真に言及しています。私が見てきた限り、実に多くの方が互いに銃口を向けてじゃれ合ったり、引き金に指がかかっていたりしています。

 その様な方は、是非、上の写真から自身の悪い癖を見つめ直して下さい。また、周りで気付いた方は必ず注意して下さい。「エアガンだから大丈夫」なんてことはありません。エアガンでも事故は起こります。事故が起こってからでは遅いのです。「今まで事故がなかったから大丈夫」はただの慢心です。それは幸運にもなかっただけで、次に起こらない保証はどこにもありません。

 安全装置はただのメカニズムです。シアーやカムが壊れており実際には機能を果たさなくても「安全」の位置までレバーは動きます。それを過信して引き金に指をかけるとどうなるか?結果はお判りだと思います。

 エアガン業界は世間から理解を得ている業界ではありません。残念ながらそれが現状です。そんな中、不注意から事故が発生すればますます風当たりが強くなり、規制を求める声が更に高まってしまいます。そのような事故を防ぐには、皆さん一人一人の安全管理意識が鍵となります。「事故を起こさない気持ち」だけでは不十分です。「事故の要因を徹底して排除する行動」が大事なのです。

 今回のコラムは、この年末年始にくだらない事故を起こしてもらいたくないとの思いで書きました。大人の皆さん、車と一緒ですよ。飲んだらエアガンは触ってはいけません!エアガンユーザーとしての責任を再認識して下さい。  

Posted by Shadow Warriors Training at 10:28小ネタ

2013年12月23日

マズル・アップ?orマズル・ダウン?


 昔は銃の安全方向と言えば上方(マズル・アップ)でしたが、キルハウスなどでの訓練が盛んになって来たころから安全方向は下方(マズル・ダウン)へと変わってきました。もちろん下方へ向けた状態で誤射があれば跳弾の危険性はありますが、キルハウスはお偉い方の視察や評価用にキャットウォークが設置されていますので、お偉い方に銃口を向けるよりも下方に向けるほうがベターであるとされました。今日では自然とその流れが定着し、マズル・ダウンが一般的に浸透しました。

 しかし、必ずしもマズル・ダウンが全てにおいて正しい選択肢とは言えません。上の写真は米海軍特殊作戦群の訓練風景ですが、ヘリから出てきたばかりですので、自然とマズル・ダウンになっています(ヘリ内ではマズル・ダウンで待機しますので)。しかし、一旦銃撃戦が始まるとマズル・アップが有効な選択肢となります。必ずしもそうであるとは断言出来ませんが、今までの訓練での私の経験上、銃撃戦が始まって動きがダイナミックになった場合はマズル・アップが勧められます。

 と言うのも銃撃戦中は、頻繁に姿勢変換を行ったり、人の上を跨いだり、更には転倒したりと、実に多くのことが起こります。そういったケースにおける安全な銃口方向を考えると自然とマズル・アップが有効であることが訓練を積むと良く分かります。下の写真は同じく米海軍特殊作戦群による訓練風景です。特に足場が悪い場所では、マズル・アップが銃口を守る観点からも有効です。また、片手で銃を保持する場合もマズル・アップの方が保持し易いです。「銃は必ず両手で保持するので、片手で保持することはない」と言う人もいるでしょう。どうぞその様にして下さい。ただし、はっきりと言わしてもらいます。そういうことを言う方は、片手で銃を保持しなければいけない状況まで訓練をしたことがない人です。



 要は一つのやり方に固執せず、状況に応じて臨機応変に正しいやり方を選択し実行できることが大切です。ではどのやり方がどの状況でベストなのか?それはありとあらゆる状況を想定した訓練をとことんやって多くを経験することで解ってきます。実弾を発射せずとも、場所、隊形やスピードなどを変えて色々と試すと解ります。当ブログをお読みの公務員の皆様は是非貪欲に色々と試してみて下さい。部隊ではそんなトレーニングは出来ない、と言われる方は是非 shadow.warriors.training@gmail.com までご連絡下さい。短期間で体系的に様々なノウハウを伝授します。  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:22小ネタ

2013年12月18日

集団外傷とは?


 集団外傷(英語ではMass Casualty)といえば、刃物を持った犯人が次々と周りの人を刺していったり、車で人の列に突っ込んだりといった事件を思い描きますが、では具体的にはどこから「集団」になるのでしょうか?

 10人から?100人から?具体的な数字を挙げる方もいるでしょうが、現実はそうではありません。現実的には下記のようなケースが集団外傷に該当します。

 1)救護者の数に対して要救護者の数が多いことから、救護者の許容範囲を超えている
 2)要救護者が必要とする救命技術を、救護者(一次・二次を問わず)が有していない
 3)救護者は必要な救命技術を有するが、必要な器具がない(あるいは足りない)ことから救命措置が取れない

 いかがでしょうか?現実的には要救護者が2名の現場にたった1人で駆けつければ、そのケースは既に集団外傷となる可能性を有しています。また、CPRしか訓練を受けていない通行人にとって、走行中のバイクから転倒し片足を開放骨折した要救護者は、1:1であるにも関わらず許容範囲外です。さらに、医療キットの中味を使い果たした後は、残りの要救護者への手当てが出来ません。

 何れのケースでも必ずしも要救護者が「集団」とならないことに注目して下さい。強いて言うなれば「集団」という言葉に惑わされないで下さい。

 このような状況において、要救護者の負傷の程度を判別することで速やかな以後の処置を取るための「選別行為」をトリアージと言いますが、戦闘衛生におけるトリアージは民間医療におけるトリアージとは異なります。民間医療では緊急性の高い負傷者を最優先に処置しますが、戦闘衛生では必ずしもそうではありません。何故違うのか、どう違うのか、それは今後開催する予定のメディカルコースにてご説明します。  

Posted by Shadow Warriors Training at 15:27小ネタ

2013年12月10日

タクティカル・ミステーク


 ここ最近はレッスンプランの改訂や新しいコースプランの作成などに追われていて、気が付けばタクティカルな小ネタをしばらく書いていないことに気付きました。え~、ちょこっとですが久しぶりに書きます。

 写真は先週フロリダ州Palm Beachで発生した銀行強盗事件に出動したSWATチームの写真ですが、非常に残念な感じですね。使用しているLenco社製の装甲車は小銃弾を防ぎますのでカバーとして使えますが、ボンネット越しに銃を構えるとは...まるでドラマや映画のSWATですな、非実戦的な運用で驚きです。そして後ろの隊員は銃から完全に手を離しており、1番員を援護する準備が出来ていない。いくら屋根の上にいる別の隊員が援護態勢を取っているからと言って、気緩みすぎちゃうか。


 そして極めつけがこれ!いや~完璧な偽装に感服致しました。ファッションでいう「はずし」ですかね?また戦術的にも何の変哲もないセダン車をカバーとして使っているし、折り畳んだバイポッドを直接ボディー/ガラスの上に置いているし、しかも下半身はドアで隠しながら上半身をガラス越しに見せてるし。

 どの写真の隊員も「狙う」と「撃つ」ことだけに意識が集中しすぎて、「撃たれる」ことを考えてませんね。常に逆の立場から、「どうすれば撃たれ難くなるか」を考えないと致傷率・致死率は下げられません。それに、1人で配置して間違ったことをしているならまだしも、後ろの隊員も気付けよ。注意せんかい!

 バディー同士やチームでの戦術に興味がある方は、Team Tacticsを受けて下さい。  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:42小ネタ