2014年12月28日

2014年総括


 え~、昨年に引き続き実施したトレーニングの9割以上がプロ用コースでした。リピータも新規受講者も、参加者全員が内容には満足して頂いたと感じております。

 一つ残念なことは、トレーニング・スタジオの開設には至らなかったことです。事業内容を正直に話すと不動産屋(家主を含む)があまり良い顔をしなかった事が、プロジェクトが未完となった理由です。嘘をついて場所を借りることは出来ませんので、こればかりは理解のあるオーナーが見つかるまで根気よく続けるしかないと考えています。

 プロ用コースでは戦闘衛生(CLS)を始めました。トレーニング用の器材を揃えるのに苦心しましたが、なんとか開設することが出来ました。一般用コースでは専門のメディカルトレーニングは開設していませんが、タクティカル・アドバイザー・コースをお申込み頂ければ実施出来ますのでご興味があればよろしくお願いします。

 また、上記の図案のワッペンを作成しました。SWTオフィシャルサイトから購入出来るように年が明けたらセッティングしますので、お待ち下さい。

 加えて、プロ用コースには、ご希望にお応えして、複数のコースが加わります。詳細は負って当ブログで発表しますので、お待ち下さい。

 本年も多くの方々にご贔屓頂きましてありがとうございました。少し早いですが、年末の挨拶とさせて頂きます。

 それでは2015年も引き続きSHADOW WARRIORS TRAININGをよろしくお願い致します。  

Posted by Shadow Warriors Training at 20:59その他

2014年12月18日

M9ピストル進化系??


 以前お伝えしました米軍の新型拳銃トライアルについてですが、ベレッタUSA社が米軍にプレゼンを行ったとの情報が流れてきました。

 メーカーによる型式は、M9A3とのこと。見た目は単にM9ピストルのアップグレード版の様な感じですが、口径などの情報は未だ流れて来ていません。モジュラー化しているようですが、どうも中途半端な感じがします。

 そして、ベレッタ最大の欠点であるスライド・セーフティーがそのまま残っている!?検定射撃しか経験がなければ全く気にならないでしょうが、実戦的訓練をすると如何にスライド・セーフティーが危険であるかが分かるはずなのですが・・・

 これはトライアルを通らないのでは?と思いますが、どうなることやら。別メーカーによるプレゼンの情報が流れてくるのを見守りたいと思います。  

Posted by Shadow Warriors Training at 18:55小ネタ

2014年12月17日

トレーニングの目的(1)


 射撃にせよ格闘にせよ、トレーニングには目的があります。これはコースのプログラム自体にも言えますが、むしろトレーニングに参加する受講者の意識が大きなウエイトを占めます。

 前者の場合、受講者全員に一定レベルの知識と技術を教えることが「目的」となります。これはプログラムをデザインする側の技量によって、大きく左右されます。基本の「き」ばかりでは受講者は満足しませんが、いきなりレベルの高い技術を求めたところで誰も満足いくレベルで実施出来る訳がありません。基本的なことから徐々にレベルを上げて行くのが理想的ですが、その上げ具合と上げる速度についても、レッスンプランを作成する際に十分検討する必要があります。

 では後者の受講者の意識とは?ここでは距離5メートルからのライフルCQB射撃を例に挙げます。訓練生Aは、インストラクターから言われた通りに実施する。訓練生Bは、ある程度速さを犠牲にしたとしても全弾命中を目指す。この2人の間の違いは僅かですが、何かプラスアルファの「目的」を持つだけで理解度は勿論、習熟度に大きな差が生まれます。ここに例として挙げた2人の訓練生の場合で言えば、Aは単に知識と技術を身につけてコースを修了しますが、Bは自らの射撃速度と命中精度の限界と可能性を理解して上達への肥しとすることが出来るでしょう。

 皆さんは、学生時代の授業内容を覚えていますか?学生時代の授業内容に対する自分の理解度や習熟度が高かったと言えますか?私は相当低かったと言えます。それは殆どの皆さんと同じで、「受け身」で授業を受けていており、何ら自ら設定した目的や目標など皆無に近かったからです。しかし、大人になると必要に駆られて「能動的」に何かを学ぼうとします。そうすると知識欲が湧き、学習意欲が自ずと上がります。特に料金を支払ってコースに参加するとなれば、更に意識は高くなります。

 「お金がかかると真剣になる」と言えば聞こえは悪いですが、これは事実です。知識は意識です。無意識に受け身でいては言われたことは右耳から入って左耳から出て行くだけですが、意識して能動的であれば言われたことは脳に留まって抜け出ることはありません。

(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 22:28小ネタ

2014年12月07日

ブリーチングあれこれ(2)


 では相手に突入を悟られにくくするにはどうすればよいのか?ステルス・エントリーの最たる例がピッキングです。実際にアメリカではSWAT隊員にピッキングを教えるスクールもあります。軍隊においては工兵部隊などでピッキングを教えている国もありますが、どこの国の軍隊でも少なくない数の隊員が入隊前からピッキングの「素養」を備えている場合があり、戦場などでその「才能」を発揮するケースがあると聞きます。

 この突入方法の利点は音が静かであることですが、欠点はやや時間がかかることです。加えて、アラームが設置されている場合は、従来のピッキング技術だけでは完全に開錠することが出来ません。仮にピッキングで開錠を試みたにも関わらずアラームが作動してしまったら、皆さんはどうしますか?無線で状況を報告して指示を仰ぎますか?現実的にはその様な時間的余裕はありませんので、アラームが鳴ったと同時にダイナミック・エントリーに移行すべきです。

 注:写真の兵士は棚のビールを盗みたい訳ではありません。


 強行突入モードに移行となれば全員が素早く対応しなければなりません。瞬時の判断で行動出来るようになるまで繰り返しシナリオを変えて訓練し、作戦立案時にもステルス・エントリーが第1案であればダイナミック・エントリーを第2案として準備しておく必要があります。

 バテリングラムなどの強行突入用のツールは重くて持ち歩きに不向きであることから、突破口近辺に置かれたままにされたり、突破口形成要員と突入要員とが別になっているケースが良く見受けられます。確かに「統計的」には建物の一番外側の扉などが最も強固に補強されていたり、複数の鍵が設置されていたりしますが、建物内部の扉などが一切補強などされていない保障は皆無です。よって、突入用ツールは最後まで携行することが勧められます。


 場合によっては相手が強行突入を予期して扉などを強固に補強し過ぎて手持ちのツールでは破壊出来ない場合があります。爆薬を用いれば良いとの意見があるでしょうが、周辺環境などを考慮した結果、使用するには適さないケースもあります。その様な場合に備えて、アメリカのSWATではバテリングラムやハリガンツールを備えた装甲車を装備している部隊もあります。

 ただし、この場合は突破口まで装甲車が近づけれることが絶対条件であることから、庭先に障害物が多い場合などは別の方法を用いる必要があります。つまり最も重要なことは、これまで紹介した全ての突入方法に精通しているだけでなく、その状況において何がベストなのか?第2案はどうするべきか?などと言った、作戦立案力と現場の臨機応変さであると言えます。

 2回に渡り色々なブリーチング方法を紹介しましたが、これらは(ショットガンを除き)現代の警察や軍隊によって開発された手法ではありません。丸太を縛り付けた荷車で屋敷の門に突っ込んだり、火薬を仕掛けて城の門に人が入れる突破口を形成したりと、歴史の中で同様な手法が洋の東西を問わず実践されてきました。それら歴史上の事例を調べることは決して単なる趣味ではなく、自身が突入する際の作戦立案の参考にもなります。

  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:01小ネタ

2014年12月01日

ブリーチングあれこれ(1)


 ブリーチングとは戸口破砕などと訳されることもありますが、基本的には突入部隊の進入口を確保するための行為です。各国の軍や警察では使用者の安全性の確保と使用のための訓練が最も簡単であることから、メカニカル・ブリーチ(機械的破砕)の一種であるエンジンカッターが多用されています。我が国の警察でもレスキュー機材として機動隊に配備されているエンジンカッターやチェーンソーを、聞き分けの悪い輩の居所や立ち回り先へのガサ入れの際に用いているのはご存知のとおりです。

 写真は米沿岸警備隊のとある部隊の訓練風景ですが、この隊員は専用に作られたエンジンカッター用の背負子を背負っています。エンジンカッターは刃となる円盤を交換することで、鉄筋や鉄板からコンクリートに至るまで切断することが出来る大変パワフルな道具ですが、反面音が大きい、重い、切断にある程度の時間を要することから、スピードが求められる突入にはあまり適した道具とは言えません。

 しかしながら、その存在と独特のエンジン音は相手に対する脅しとなり得ますので、ガサ入れ時にその存在をアピールするだけで頑として立ち入りを拒んでいた連中も態度を軟化させることもあります。


 では聞き分けがとりわけ悪く、かつ素早い突入が必要な場合の手段として有用なのは?エクスプロッシブ・ブリーチ(爆破)が挙げられます。近年では大阪でのガサ入れの際に採用された事例もあり、特に証拠隠滅の恐れが極めて高い案件や人質救出などと言ったスピードが求められるケースでは極めて有効な手段です。

 反面、取扱いにはそれ相当の訓練が必要であり、国内ではどの建物でも使える訳ではありません。特に日本の一般家屋は木造建築ですので、爆破の際に発生する熱や爆炎で建物が延焼する危険性もあります。また、爆破対象物の反対側に人がいると破片で傷つけてしまう恐れがありますので、展開には十分な作戦立案が必要となります。


 国内では装備面から実用例がありませんが、海外で頻繁に用いられるのがショットガンを使ったバリスティック・ブリーチ(弾道破砕)です。大抵の場合、熊射ち用のスラッグを用いて蝶番やドアノブなどを破壊します。一昔前はSASなどではブリーチング用に銃身を短く切り詰めたショットガンをバンジーコードで肩からぶら下げたりしていましたが、現在はフルサイズのショットガンを装備して、弾も00バック(ダブルオーバック・鹿射ち用)とスラッグの双方を携帯して用途に応じて弾を選択して使用しています。

 蝶番やドアノブを破壊するには角度が重要となります。銃を対象物にあてがう角度と、銃をドアから放す角度の両方です。この方法は先の2つと同じく大きな音を立てますので、いわゆるダイナミック・エントリーでの戦術となります。ショットガンの発射音は小銃の発射音よりも大きく、また小銃弾の乾いた発射音に比べて鈍く低い独特の発射音を発しますので、ブリーチングに用いたことが敵から推測され易いです。

 また爆破と同じく、吹き飛ばしたドアノブのパーツなどがドアの向こう側に飛散しますので、不用意に人を傷つける危険性があることも考慮しなければなりません。

その2へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 21:41小ネタ