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Posted by ミリタリーブログ at

2023年01月30日

銃撃戦を安全に経験するには(2)


 フラットレンジ(スクエアレンジ)で行われる射撃訓練では、いくら工夫してリアリティーを追及したところで、テクニックが主体のトレーニングになってしまいます。精度や時間的制約などのプレッシャーによる身体的・精神的な影響を経験することは出来ます。ですが生きた人間を相手にした銃撃戦ではそれら以上に「恐怖」を感じます。そしてこの恐怖を感じることにより、射手は様々な身体的・精神的そして生理学的な影響を受けることになります。

 前回述べた様に、フラットレンジで学ぶのはテクニックが主体で、FoF訓練で学ぶのはテクニックよりも重要なマインドセットと戦術になります。フラットレンジでいくら早く精密な射撃技術を身に着けたところで、そこで訓練する内容は敵を撃つ(より正しくは敵に当てる)ことです。しかしながら生存を賭けた撃ち合いの中でより重要なことは、敵に当てることよりも敵の弾に当たらなくすることであり、これを身体で覚えるにはフラットレンジでのトレーニングには残念ながらリアリティーに限界があります。

 また、IDPA、IPSCやUSPSAなどのシューティング・マッチは「実践的」とされていますが、これらはバリケードを使ったり時間的な制約があったりと、単なるブルズアイ・シューティングに比べると「実践的」ではあります。ですが、いずれのマッチでも相手から撃たれることはなく、「実戦的」ではありません。

(3)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:33小ネタ

2023年01月09日

銃撃戦を安全に経験するには(1)

 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
昨年は拠点の移動もありましたが、引き続き広い範囲の多くのお客様にご贔屓にして頂き、ありがとうございます。

 さて2023年最初の投稿は、銃撃戦をシミュレートする方法についてです。
スクエアレンジやフラットレンジと呼ばれる場所での訓練は、紙やスチールの標的を撃ちます。その訓練の目的は射撃のテクニックを身に着けることにありますが、この訓練では射撃方向は一方向に限られており、ダウンレンジに設置された標的は撃ち返してくることはありません。よって、技術を身に着けることは出来ますが、残念ながら効果的にマインドセットや戦術を身に着けることには繋がりません。


 銃撃戦をシミュレートする方法としては、バトラーなどの装置を使用する訓練があります。バトラーを使用する利点は射距離に制限がないことですが、欠点は「撃たれた感」が無いことにあります。被弾判定だけされて負傷や死亡と言われても、撃たれた側は「あ、そうですか」で終わります。被弾を知らせる電子音が鳴るだけで痛みを伴いませんから、仕方がありません。


 その対極にあるのが、Simunition Fxなどに代表されるForce-on-Force弾を用いた訓練です。射距離は数十メートルですが、被弾した場合は痛みを感じます。実際に銃身の中を通って射出されますので、本物の弾丸と同じ様に回転しながら被弾します。素肌に当たった場合は皮膚だけでなく少しばかり肉もえぐれます。至近距離で被弾した場合は実弾で撃たれたのかと疑うほど痛いです。ですが逆にその痛みがリアルであることから、訓練のリアリティーが「爆上がり」になります。

(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:00小ネタ