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Posted by ミリタリーブログ at

2022年03月20日

ロシアによるウクライナ侵攻への対応について


 混迷を極める状況にあるウクライナへの支援とソ連時代と何ら変わることのない今回のロシアによる暴挙への対応としてSWTとして何が出来るのか、ここ数週間悩みながら幾つかのアクションを起こしました。

 先ず言っておきますが、現時点においてはInternational Legion of Defense of Ukraineへの参加はしません。その理由として、志願者の選定に統一されたスタンダードが存在するのか、かなり怪しいからです。

 欧州の訓練仲間からの情報によると、国によっては全くの軍隊・警察の未経験者も採用されているようであり、集まったところで「部隊」として機能出来るのか大きな疑問があります。また情報によれば、志願者はポーランドとの国境からリヴィウ(Lviv)へ向かうように指示されているようで、そこで軍・警察経験者と未経験者との分けられているとのことです。選別後、経験者はさらに東の地域にある現地部隊の元へ送られ、未経験者はポーランドとの国境付近にて4週間の訓練を受けてから現地部隊へと送られる計画であるとのことです。選別基準も怪しい上に未経験者への訓練もたった4週間となると、戦える部隊が編成されるとは思えません。

 なお、空路でワルシャワ入りしウクライナ国境へ向かおうが、ヨーロッパの別の都市から陸路でポーランド入りしウクライナ国境へ向かおうが、どのルートもロシア側には既に把握されています。情報管理だけでなく部隊防護の観点からもかなり脆弱であると言えます。

 よって、現時点でSWTとして行動した内容は、赤十字と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を経由した戦争難民への支援です。また、戦闘衛生コースの開催に支障を及ぼさない程度で、手持ちの戦闘医療品(止血帯、バンデージ、止血剤、経鼻エアウェイ、脱気用ニードルなど)をウクライナ当局の手に渡るように欧州の仲間を通じて提供しました。

 この戦争がどのような形でいつまで続くのか。状況を見極めながらアクションの継続・アップデートを行っていきます。

Support Ukraine! Protect the freedom! Fuck the communism!  

Posted by Shadow Warriors Training at 22:56その他

2022年03月06日

レッドドットサイトについて (5)


 緊急時のもう1つの撃ち方は上の絵のように相手の首のラインとMRDSの上辺を合わす方法です。これはポイントシューティングの要領と似た感じでピンポイントでの着弾は望めませんが、一定の誤差が許容された範囲への着弾は可能です。また、射距離に応じて相手の首のラインに合わせたり、肩のラインに合わせたり、わきの下のラインに合わせたりと、アジャストすることで対応しますが、このテクニックも前回までに紹介したテクニックと同じでいきなり現場で出来るものではありません。普段の訓練において様々な状況を想定して距離や角度を変えた状況で何度も試すことで、特性を体得しておく必要があります。

 さて、前回のブログではMRDSの窓に泥が付着したことを想定として書きましたが、その様な状況に陥るのか?と疑問を持たれた方がいるかも知れませんので、現実的な2つの例を紹介します。

 1つ目は伏臥姿勢をとった際に地面の泥などがMRDSに付着するケースです。この写真ではホルスターの下端に土が詰まった状態になっていますが、伏臥姿勢においてMRDSは地面側に向きます。地面の状況が悪い場所で伏臥姿勢を取らざるを得ない場合は、知らずしてMRDSが泥や土まみれとなることを理解しておくべきです。


 2つ目は腕に被弾した際に銃を地面に落としてしまうケースです。写真のグロックはアイロンサイトのみですが、これがMRDSを装備していた場合の泥の影響は想像出来るかと思います。被弾して銃を落としてしまったらどうするか?止血帯を60秒以内に緊縛する?いえ、それは脅威を排除した後の話しですので、もう片方の手で銃を拾って片手撃ちで先ずはその場をしのぐ必要があります。


 5回に分けてMRDSについて簡単に説明しましたが、物事全てに完璧なものはありません。ここで紹介した様に幾つかの条件ではMRDSが本来の性能を発揮出来ない場合がありますが、その様な非常時に直面した場合の対処法も十分に訓練しておいて初めてMRDSを実戦運用することが出来ます。訓練は己自身と武器や装備品の特性を理解するためだけの場ではなく、限界を知る場でもあります。その限界を知らないまま実戦に突入するとどうなるか?生存率に影響します。

 訓練は技術や能力を高めるためのものですが、残念ながら訓練で到達したレベル以上のパフォーマンスを発揮することは出来ません。むしろ、極限の状況では最高でも訓練したレベルまでのパフォーマンスしか発揮出来ません。よって武器や装備だけが個人や部隊のレベルを左右する判断材料とは成り得ません。そのレベルを図る材料は訓練内容です。

終わり
  

Posted by Shadow Warriors Training at 22:40小ネタ