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Posted by ミリタリーブログ at

2015年04月26日

検定射撃コース始めました


 長らくお待たせしました。プロ用コース・一般用コース共に、検定射撃コース(Qualification Course - Modified)を追加しました。エアガンで実施出来るようにアレンジを施すのに時間が掛かってしまいましたが、ビギナーから上級者まで幅広く受け入れることが出来るコースに仕上がったと思います。

 このコースは誰でも参加可能です。過去にSWTでトレーニングを受けたことがなくてもOKです。先ずは検定コースを受けてみてから正式にトレーニングを受けるもよし、トレーニングを受けてから腕試しで検定コースを受けるもよし、です。詳しくはオフィシャルHPをご覧下さい。

 因みに、一部のコース内容を紹介します。
   FBIピストル検定
   海兵隊MEU(SOC)ピストル及びライフル検定
   Redback Oneピストル及びライフル検定
   Ken Hackathornピストル検定
   LAPDピストル検定
   Federal Air Marshalピストル検定
   Haley Strategicピストル検定

 ただし、全ての検定課目がオリジナルのままとは限りません。殆どはエアガンで実施出来るように、標的のサイズや距離を変更しています。当コースの名前が「Modified」となっているのはそのためですが、海外の検定射撃がどの様な内容とレベルなのかを知るには十分すぎる内容になっています。

 皆様の挑戦をお待ちしております。  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:00お知らせ

2015年04月19日

間違いだらけの護身術(3)


 「海外の見知らぬ町は別として、国内なら大丈夫。」と果たして言えるでしょうか?前回の裏道よりも光量はありますが、上の写真の道を午前2時頃に一人で歩くとなった場合、100%安全だと言い切れるでしょうか?前回述べた様に、人間が事故を起こしたり巻き込まれたりする場合の大きな要因の1つが「慢心」です。「自分は大丈夫」と思う気持ちが心と身体を危険予測/回避モードから遠ざけてしまい、万が一巻き込まれそうになった場合には心と身体が追い付かず、結果的に後手にまわって不意を喰らったままの状態で巻き込まれてしまうのです。

 では、「危険の回避」に最も重要な要因は何なのか?それは、「注意力」です。必要以上に周りをキョロキョロ見渡す必要はありません。ただ、常に周囲の様子を観察し、要所要所で一歩突っ込んだ予測や観察が出来るようにしておくことが重要です。誰も危険や潜在的な危険を知らせてはくれません。それらを感じ取るのは自分しかいません。ではその「注意力」を維持するためには何が必要なのか?それは頭を上げる/前を向くことです。


 現代人の何%がこの写真の様に、手にしたスマホなどを凝視した状態で歩いているでしょうか?これでは周りの異変に気付く訳がありません。酒や麻薬・危険ドラッグの影響下にある者が運転する車が突っ込んできたり、精神異常者が刃物を振り回していた場合、頭を上げて周りに注意していなければ危険を回避するどころかこの様な危険に気付く事さえ不可能です。

 自分の生存に関わる事なので、肉食動物は他の肉食動物を襲うことは滅多にしません。そこで肉食動物は仕留めやすい草食動物を狩ります。では草食動物が襲われるタイミングは何時でしょうか?それは食事や水を飲む際に地面に顔を近づけて前を向いていない時です。草食動物の中でもたまたま顔を前に向けていた際に肉食動物の接近に気付いた場合は、素早く回避行動に移ることで逃げることが出来ますが、残念ながら地面を向いていたまま食事を続けていた個体は肉食動物の餌食になってしまいます。

 言ってみれば暴漢や薬物の影響下にある連中は肉食動物です。その様な連中にとって狩り易い草食動物になるか否かは自分自身に懸かっています。餌食となってからの反撃だけに力を注ぐのではなく、餌食にならない努力を怠らないのが、予防的な意味での本来の護身のはずです。防御とはその必要性を認識して常に意識をしていてこそ機能します。注意力も警戒心もなく過ごしていれば、防御態勢をとることすら出来ません。

 何も悪いことをしていない人が突然襲われて傷ついたり殺される中、悪い連中は捕まって3度の食事と弁護人を始めとする法的権利が与えられる現代社会はハッキリ言って不公平です。しかしながら、法治国家である以上、悪い連中を探し出して秘かに闇に葬ることは残念ながら出来ません。よって、出来る事と言えば、自らを被害者にしないことしかないのです。

 「勝つこと」に固執してはいけません。護身は勝負ではないからです。考え方を変えて「負けないこと」を意識すべきです。「負けないこと」は、危険を察知して事前に回避することで殆どの場合達成出来ます。今回の3部作を通じて、反撃だけに力を注いだ巷の護身術だけでは自らの身を護るには不十分である理由が少しでも多くの方に伝われば幸いです。

終わり
  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:23小ネタ

2015年04月11日

間違いだらけの護身術(2)


 「君子危うきに近寄らず」とはよく言ったもので、危険を事前に回避することで自らの身を護ることは可能です。ですが危険を回避するには、どの様な危険が起こり得るのかを予測することと、脅威度の判定を含んだ危険の察知をすることが先ず必要になります。上の写真をご覧下さい。海外旅行中に遅い時間にホテルへと戻る際に、昼間通った道が夜間は上の写真のような状態になることはよくあることです。では、仮にこの道が200m程続き、その先にホテルがあるとして、「危険の予測」をしてみて下さい。なお、ホテルは夜間でも明るい大通りに面しており、ホテルの前までたどり着けば治安面での問題はないものとします。

 さてどうでしょう?人通りがないだけでなく、圧倒的に光量が足りないことからダークスポットが非常に多いです。普通の状態であればこの2つの条件だけでも、見知らぬ海外の町であれば頭の中で危険信号が点滅するはずです。更に、暗がりの向こうでガラス瓶が割れる音がしたり、数人の人影が動くのが見えたりした場合、この暗い裏路地を200m進みますか?この想定質問で行ったことが、「危険の予測」と「危険の察知」です。

 では続けて質問です。普段の生活の中で、同様の「予測」と「察知」を行っていますか?残念ながら人間はパターンに弱い生き物で、普段の生活で安全が確保されている行動に対しては、意識しないと「危険があるかも知れない」と疑ってかかることがなかなか出来ません。我々の祖先が洞窟などで生活をして野生動物を狩っていた時代のヒトの脳と、現代人の脳とでは危険を察知する能力に大きな差があります。しかしながら完全にその能力が死んだ訳ではなく、脳の片隅やDNAの一部に受け継がれており、鳥肌が立ったり、説明出来ない何か悪い予感がしたりするのはそのためです。現代の生活様式ではこの能力を復活させることは出来ませんが、少なくとも訓練して活性化させることは可能です。

 常に周りを見て最新の状況を把握し、そこから考え得る脅威や危険を予測して、必要に応じてアップデートする。車の運転に置き換えれば分かり易いのではないでしょうか?問題は、これらを徒歩での通勤・通学や買い物といった普段の生活で実行出来るか否かにあります。最終手段である「危険への対処」だけに力を注ぐのではなく、時間や金をかけなくとも「予測」と「察知」で「危険の回避」は9割以上は可能です。射撃に関して初期の段階で述べていますが、「敵に当てること」と「敵に弾に当たらないこと」のどちらが重要か?と同じです。巷の護身術教室は、反撃することだけを教えており、それよりも重要な危険を回避することを教えていないことに私は警鐘を鳴らしているのです。

 因みに、上の想定でSureFireなどで暗がりを照らすのは一か八かです。何もないことを確認出来れば良いですが、怪しい連中が潜んでいた場合、その様な連中は照らされて存在が露呈することを嫌いますので、攻撃される危険性があります。

(3)に続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:29小ネタ

2015年04月03日

間違いだらけの護身術(1)


 たまに護身術に関する質問を一般の方々から受けます。「どの格闘技や武道が最も有効か?」や「クラヴ・マガは有効か?」などがよくある質問ですが、そもそもそう言った内容の質問自体が間違いですので、この場を利用してSWT流の護身術理論を説明したいと思います。

 胸倉を掴れたらこうする、後ろから組み付かれたらこうする、といった技法は現実世界では殆どの場合有効ではありません。そもそも相手に襲われるというのは残念ながら既に後手に回った状況であり、態勢的にも戦況的にも既に不利な状況にあります。陸上戦闘に例えるなら、アンブッシュを受けた状態にあります。この状況は物理的に不利に立たされているだけでなく、精神的にも相手が主導権を握っていることになります。

 種々の格闘技や武術をベースにした護身術の技法は、不利な状況から少なくとも五分五分の状態とし、なんとか次の攻撃から逃げるためのものです。しかしながら、現実世界の脅威は道場での示し合わせたような動きにとらわれることがないことから、練習通りのパターンで攻撃してくる保障がありません。また、道場での練習は相手が何をするか予め分かった状態で行うことから、そこに精神的な優劣は存在しません。つまり、巷の護身術訓練には、突然襲われた際に感じる「恐怖」という最も人間のパフォーマンスに悪影響を与える要因が欠けています。

 更に、体術である護身術を駆使して脅威から離脱するのは最後の手段であって、そもそも警戒態勢が高ければ事前に危険を察知することが出来ます。直観的にせよ危険を察知することにより危険に近づかない(危険から遠ざかる)と言ったリスク回避が可能であり、結果として実戦に突入することなく自らの安全を確保出来るのです。また、回避不可能であったとしても、話術により事態を沈静化することや離脱の機会をつくるための時間稼ぎをすることも可能です。つまり本当の護身術というのは、「危険の予測」、「危険の察知」、「危険の回避」、「危険の抑制」、「危険への対処」の全てから成るのです。しかしながら巷ではこの最後の「危険への対処」だけが注目されており、あたかも闘うこと(反撃すること)が護身術であるように理解されています。

(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 21:16小ネタ