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Posted by ミリタリーブログ at

2013年07月30日

カルトクイズ(1)


 ご存知Dave "Super Dave" Harrington氏です。米陸軍特殊部隊員であり、そのキャリアの中ではJFK特殊作戦学校において上級武器教官を務めていた方です。

 ここでカルトクイズです。彼の右ほほには傷がありますが、何のトレーニングでついた傷でしょうか?
 解答の受付けと正解の発表は、SWTのトレーニングを受けた方のみを対象とします。

 ちなみにこの方のトレーニングは一風変わっています。彼はインストラクターとしてデモを行った後に他の訓練生と一緒にドリルを実施し、ドリルが終わったら次のドリルのデモを実施するそうです。ということで、訓練生一人一人のドリルの結果に対するアドバイスやフィードバックはありません。なんでそんな教え方が通用するのか良く解りませんが、私の知る限り彼しかこのやり方をしている人は居ません。  

Posted by Shadow Warriors Training at 08:40小ネタ

2013年07月27日

フィンランド軍特殊部隊


 今月号のSATマガジンでフィンランド軍特殊部隊が取り上げられていましたね。実は過去に元隊員の1人と一緒にアメリカで訓練を受けたことがあります。フィンランド軍ではVALMETというAKのコピーを使用しているだけあって、AKの取扱いは上手でしたね。ロシアとの国境における夜間長距離偵察訓練中にロシアの部隊を発見し、国境線を挟んで追尾した時のエピソードなどを聞かせてもらいました。
 
 ちなみにその時の訓練では、米陸軍特殊部隊員とポルトガル国家警備隊(憲兵隊)特殊部隊員(いずれも現役)も参加していました。色々な技術や理論をミックスさせて訓練に反映させることが出来て面白かったです。

 保安上の都合により上の写真のどれがだれかは言えませんが、国旗を掲げている奴は誤魔化し様が無いですね。  

Posted by Shadow Warriors Training at 20:08小ネタ

2013年07月22日

訓練での失敗=生存への教訓


 何事も成功から学べることよりも、失敗から学べることの方が重要です。むしろ成功からは学べることは少ないです。人間(特に大人)は、見ただけ・聞いただけ・読んだだけの内容は数ヶ月経つと殆ど正確に覚えていません。逆に、失敗を犯し・理由を理解し・成功するまでやり遂げるといった、頭と身体の双方を用いて学習した内容は、時間が経過しても「教訓」として残っているものです。

 写真は過去に受講したHRCCコースでの1場面ですが、負傷者の搬送準備に手間取っていたところへ模擬爆弾を喰らったところです。自分は戦闘服の一部が焼け焦げただけで済みましたが、他の訓練生はアンダーアーマーのシャツが溶けて脇腹に火傷を負いました。まさにNo Pain, No Gainです。この様な生の「フィードバック」を得ると、教訓が生涯身体に染み付いて離れなくなります。

 流石に国内には火工品の使用を許可してくれるフィールドがありません。従ってSWTのトレーニングでは、必要に応じて私がダウンレンジ側に陣取って動きや隠れ方の悪い訓練生に向ってBB弾を発射します。ほんの数センチ身体の傾きが悪い、その姿勢では脚をこっちに伸ばした方が良い、などを頭と身体の両方で理解してもらうためです。またそうしたストレス下において訓練することにより、使えるテクニックと使えないテクニックとの取捨選択が出来るようになります。今まで幾つかのDVDを海外の訓練仲間たちとチェックしましたが、実に多くのDVDで「見た目重視」のテクニックが紹介されていることに皆驚かされました。内容を真似したいだけなら文句は言いませんが、リアルなトレーニングが目的であればインストラクターの下でそれらテクニックを「検証」することをお勧めします。

 「教訓」を得た訓練生は、以後のドリルを単に言われた通りにやるのではなく、考えながらやるようになります。もちろんインストラクターとして彼らの考えを正しい方向に導く手伝いはしますが、私はあえて一から十まで面倒を見ることはしません。SWTのトレーニングは「訓練生に考えさせる」スタイルであるからです。最初に述べたように、言われただけでは身に付かないからです。この訓練スタイルでトレーニングすると、訓練終了時には訓練生それぞれが自分なりの「正解」あるいは「正解へのヒント」を見出します。その瞬間、訓練生の表情(特に目)が変わります。何かひらめきを感じた訓練生の表情や精神面の変化(成長)を見ることが、私にとってのインストラクターとして一番やりがいを感じられる瞬間です。  

Posted by Shadow Warriors Training at 09:34小ネタ

2013年07月19日

弾道学とゼローイング(おまけ)


 最後に、このゼローイングについて、国ごとに異なる手法を採用している興味深い話しがありますので紹介したいと思います。アメリカや日本では、隊員個人に銃が貸与されており、「この番号の銃は誰々のもの」と決まっています。ですから、一度ゼローイングを合せれば、余程体型や装備などが大きく変わらない限り、その銃の持ち主である隊員は、同じ命中精度を維持することが出来ます。このシステムの長所としては、高い命中精度に自分の銃をある意味カスタマイズ出来ていることですが、短所としては、他人の銃では同じ命中精度を得ることが出来ないことにあります。

 ところが、ドイツではH&K社の工場で全ての銃が「機械的」にゼローイングされた状態で納入されており、どの隊員も個人の身体的特徴に合せた修正をすることがないそうです。代わりにドイツ軍では、それぞれの隊員(一般隊員に限る)が「どの程度の距離であればどの程度的の中心からずらして狙うか」を訓練するそうです。そうして距離に対する偏差量を頭と体で覚えることで、誰がどの銃を撃っても即座に同じ命中率を得られるようにしているそうです。このシステムの長所としては、戦闘中に自分の銃が故障しても、誰かの銃があれば同じ命中精度を維持しながら闘えることですが、短所としては、正確に修正されたものでないことから、それほど高い命中精度を得ることが出来ないことにあります。

 なお、この話しは元ドイツ陸軍の友人から聞いたものであって、彼が務めていた時代(G3ライフル)でのやり方です。現在のG36ライフルでも同様の手法が採られているかはわかりませんが、非常に興味深い手法であると思います。

 また、「射距離に合せて中心からずらして狙う」なんてどうよ?と思う方が居るかと思いますが、実はこれスナイパーも使うテクニックです。スコープに対して角度(撃ち上げ・撃ち下ろし)や風による縦横方向の修正をせずに、その「修正すべき値」に応じてスコープのレティクルに刻まれた目盛り分を中心からずらして撃つ「ホールドオーバー」と呼ばれるテクニックです。一見、雑なやり方に見えますが、いちいちエレベーションやウィンデージを修正する時間的余裕が無い場合に非常に有用なテクニックです。ただし、角度や横風の程度に応じたホールドオーバーの量を予め知っておく必要がありますので、訓練でデータを蓄積しておく必要はあります。  

Posted by Shadow Warriors Training at 08:16小ネタ

2013年07月18日

弾道学とゼローイング(4)


 ゼローイングを行うにはその前段階として確認しておくべきことがあります。それは、①同じ銃であること、②同じ弾薬であること、③同じ射距離であること、そして④同じ環境(風速・風向)であることです。軍や警察であれば①と②はSPECが変わらない限り同じです。③は検定の種別により異なります。④は出来れば無風状態で実施できる様に屋内が望ましいです。ただし、風速・風向の違いによる偏差量の計算方法は別に訓練しておく必要があると共に、実際に風の影響下にある状況での射撃訓練が実施できることが望ましいです。

 そして次に知っておくべきことは、クリック修正することにより着弾点がどの程度動くかです。1回転=1MOAであれば、100ヤード先で1インチ着弾点を修正できます。大抵の場合、アイアン・サイトもスコープも4クリック=1回転(1クリック=1/4MOA)となっています。よって、仮に200ヤード先の着弾点を2インチ上かつ0.5インチ左に修正したい場合、エレベーションの修正値は4クリック(1MOA)ですがウィンデージの修正値は1クリック(1/4MOA)となります。

 上の画像の場合は、右下に程よく纏まったグルーピングがありますので、その中心を的の中央に持ってくるように修正してやればゼローイングは終了です。後は実際の射距離に応じてリアサイトやスコープのエレベーションを動かしてやればOKです。横風の影響がある場合は、射距離・風速・風向に応じてウィンデージを動かしてやればOKです。ACOGの場合は予めレティクルに射距離の目盛が入っていますので、一度ゼローイングが出来ていれば、エレベーションをいじることなく射撃をすることが出来ます。一度だけACOGを乗せた銃を撃ちましたけど、思ったより狙いやすかったです。ごちゃごちゃしたレティクルがターゲットを見えにくくするかな?と思っていたのですが。

  

Posted by Shadow Warriors Training at 07:36小ネタ