2013年11月26日

とうとう出ました、マルチカム・ブラック


 アフガン戦争(OEF)から実戦投入されたマルチカム(Multicam)ですが、アメリカ時間の11月25日にマルチカム・ブラック(Multicam Black)が発売されました。法執行機関(Law Enforcement)用として開発されたものですが、あまり市場に出回らないだけで実は乾燥地帯(Arid)用、熱帯地方(Tropic)用、高山地域(Alpine)用のバリエーションが存在します。
 
 これでマルチカムは合計5種類が存在することになりました。しかしマルチカムってそもそもどんな地域でも溶け込むってのが売りやったんちゃうんかいな?結局、地域の特性に合わせて5種類も作ることになったんかいな?

 やはり、最強の迷彩はプレデターの透明化でんな。

   

Posted by Shadow Warriors Training at 23:12小ネタ

2013年11月13日

ナイト・ビジョンについて


 映画「Zero Dark Thirty」で一躍有名になりましたTNVC(Tactical Night Vision Company)社製のL-3 GPNVG-18ですが、実際どの程度の性能かご存知でしょうか?

 ナイト・ビジョンには、第2次大戦中に独軍が開発したGen.0から始まり、ベトナム戦前半のGen.1、後半のGen.2、そして80年代のGen.3と性能により世代が設定されています(戦車にも同じような世代分けがありますね)。この「世代」を設定するのは米陸軍内のとある機関なのですが、性能的にはGen.4となってもおかしくない製品が出ているにも関わらず、Gen.4の明確な定義が未だ存在しないことから、Gen.3の発展型は数多くあれど未だ「公式」なGen.4は存在していません。

 つまり、映画であった4つ目のゴーグルも、解像度やAuto-Gatingと呼ばれる入力される光をあえて遮断してより鮮明な画像を得る技術など、初期型のGen.3とは比べ物にならないくらい進んだものですが、定義的には第3世代のものです。この4つ目ゴーグルは元々広い視界を必要とするパイロット用に開発されていたものであって、この視界の広さが一部の特殊な部隊のニーズと合致した訳ですが、では実際にどの位以前の物と比較して広いのでしょうか?

 従来のナイト・ビジョンの視界が40°であるのに対して、4眼タイプでは97°あります。では果たして97°の視界とは広いのでしょうか、狭いのでしょうか?従来の物と比べると大きな進歩ではありますが、裸眼視野が約190°の視界を有することを考えると決してまだまだ昼間と同じように戦える訳ではありません。そして一つ忘れてはいけない事があります。それは、横方向の視界が97°に広がったとは言え縦方向の視界は未だ40°しかない事です。

 各国が新技術の開発を競っていますが、そのためには巨額の予算が必要となります。しかし、巨額の予算は平時には取得し辛いことから、戦時の方がこういった技術の進歩が早いのは世の常です。本来は平時の間に性能の高い装備を開発・配備することで抑止力の1つとして「有事」を避けたいのにそれが出来ず、結局は戦争にならなければ飛躍的な技術革新がない。皮肉なもんですね。  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:08小ネタ

2013年11月11日

FBI、自動小銃を盗まれる


 11月6日の夜から7日の朝(いずれも現時時間)にかけて、マサチューセッツ州Andover市内にてFBIの車両から自動小銃と狙撃銃が盗まれていたとのこと。FBIのSWATチーム(HRTではなく、地方支局のSWAT)に所属する隊員が、許可を得て公用車を自宅に乗って帰ったところ、車内に置いてあった2丁の銃が盗難にあった模様です。FBIは有力な情報に対し最高$20,000の報奨金を設定していたとのことですが、現時時間の金曜日の午前2時に地元警察に2丁の銃が提出され、その9時間後の午前11時に10代の少年が当該車両に対する不法侵入と窃盗の罪で逮捕されたとのことです。

 地元警察によれば、銃を提出した男性は報奨金を受け取るであろうとの見解を出していますが、この男性に関する情報の公表は避けています。

 同州の州法によれば、装填された状態の小銃や散弾銃を車内に保管することは違法ですが、警察関係者には適用外です。今後FBI内でどの様な処分が下されるか見ものですが、FBIのSWAT隊員が車内に銃を保管することに関しては、即応体制の維持の観点から現行のFBIの内部規定では許可されています。また、FBIを含め、アメリカで警察車両から銃が盗まれたケースはこれが初めてではありません。この様なケースで盗まれた銃が裏社会に流れて、警察官が警察の銃で撃たれて亡くなるケースもあります。

 写真は実際に盗まれた銃です。自動小銃は民間に出回っているセミ・オートではなくフル・オートです。

 なにやってんだ、FBI!普通は、車両に取り付けられたケース(特殊工具なしでは取り外し不可能)に入れておくもんだろ?加えて近辺では前の週に別の特別捜査官の車両から防弾ベストが盗まれているし。再教育&綱紀粛正やな。  

Posted by Shadow Warriors Training at 13:29小ネタ

2013年11月04日

銃器安全4則と誤射について

 猟友会所属の猟師が鹿を駆除中に山菜取りに入山されていた男性を誤射したと、痛ましい内容の報道がされています。銃器のトレーニングに携わる者としては、決して看過出来る事案ではありません。そこで今回は、再度銃器安全4則について解説したいと思います。

 1)銃は全て装填されているものとして取り扱うこと。
 2)壊したくない物、傷つけたくない者に対し銃口を向けないこと。
 3)標的に照準を定め射撃をする明確な意思が確定するまでは、引き金に指をかけないこと。
 4)標的とその前後及び周辺に注意すること。


 以上が銃器安全4則です。これは射場安全規則とは異なり、射場であろうが猟場であろが戦場であろうが、どこでも適用されるべきもので、これさえ厳格に守っていれば事故は起きません。一般的に、これら4つの規則のうち1つが破られれば何らかの事故が発生し、同時に2つ以上が破られれば大きな被害が発生すると言われています。

 今回報道されている事故は、上記のうち明確に4番目に違反しています。そして標的を誤認したことから、2番目と3番目も違反しています。私は猟友会や猟師が普段どのようなトレーニングを積んでいるのか知りませんが、安全管理が甘いのではないのかと疑問を抱いています。

 これが戦場であれば友軍誤射として外国軍であれば軍法会議ものです。幾らテクノロジーが発達して敵味方識別装置(IFF)が一般的になってきているとは言え、それらは戦車や戦闘機などの話であって、銃器にあっては取り扱う者本人が識別を行う義務と責任を負っています。

 報道から入ってくる情報が少ないので詳しいことは分かりませんが、今回の事案について私が抱いた疑問は下記のとおりです。
 1)猟銃の安全な取扱いに関する訓練はどの程度の内容と頻度で行われているのか?
 2)双眼鏡などを用いて標的を確認・識別する作業は、発射前の手順として確立されていないのか?
 3)複数による行動を厳守させることで、標的のダブルチェックを実施するような手順は確立されていないのか?

 スナイパーが観測手とペアで行動するには、警戒や通信などの作業を分担するためだけではありません。敵勢力の判別と敵味方の識別をダブルチェックすることもその理由の一つです。射撃技術がいくら高かろうが、安全に銃器を取り扱うことが出来なければ素人同然です。アメリカのタクティカル・スクールではその様な生徒がいれば、即刻退場処分です。インストラクターが銃を携帯しているのはデモンストレーションのためだけではありません。その様な安全意識の低い参加者が自身や他の生徒を傷つけるおそれがあった場合に、自身及び自己の管理下にある者の防衛のために「危険を排除する」ためでもあります。

 以前のコラムで書いたとおり、最終的な安全装置は射手の意識(上記安全4則の3番目)です。冷静に状況を判断しうる能力がなければ、事故はなくなりません。今回の被害者の方は重体であると聞きます。一命を取りとめられることをお祈り致しますと共に、安全基準が見直されてこのような事故が再発しないことを願っております。  

Posted by Shadow Warriors Training at 07:39小ネタ