2019年08月04日

射撃姿勢について(2)

射撃姿勢について(2)
 では戦闘射撃に向いている姿勢とはどのような姿勢なのか?おそらく大半の方がこの写真の様な構え方を想像するでしょう。そして、既に実践されているでしょう。80年代までは全盛期であったウィーバーではなく、胸部を標的に正対させたアイソセレスで上半身を固め、下半身は肩幅よりも若干広めに脚を広げると共に、膝を軽く曲げて重心を下げる。海外のタクティカル・トレーニングの写真でも良く見る構え方です。

射撃姿勢について(2)
 更に拳銃の場合は、両肩の間に落とし込むかのように首をすくめることで首・肩を固定し、銃の反動に負けないようにする。これも海外の訓練風景で良く見る構え方です。

 ぶっちゃけ言います。どちらも実践的ではありません。上の写真の構え方は、検定射撃における頭から踵までが一直線上に並んでいる立姿勢よりはアグレッシブです。しかし、戦闘射撃ではなく、競技射撃に向いた構え方に過ぎません。下の写真も同様です。競技射撃には向いていますが、戦闘射撃には向いていません。

 下の写真から解説します。拳銃射撃において反動のコントロールに最も重要な要素はグリッピング、そう、握りです。拳銃は手で握ります。手首から先の力で拳銃を握り、その握りの強さで反動をコントロールするものです。拳銃は肘や肩で構えるものではありません。下の写真の様に肩をすくめたり、また腕を真直ぐ伸ばして肘を意識して固定したりすると、人間の意識は肩や肘に集中します。すると筋肉も意識した部分しか力が入らず、結果として手首から先の力(握力)が疎かになります。握力が弱くなると、射撃時の反動で銃が手の中で遊ぶことになり、コントロールが出来なくなることから命中率も下がます。また、手の中で遊ぶ銃を撃発の度に正しく握り直す必要が生じるので、連射速度も下がります。

 拳銃射撃において肘は伸ばし切る必要はありません。ぶっちゃけ、延ばさなくても撃てますし、当たります。もし腕・肘を延ばさずに撃つことがNGと言う人がいるのなら、映画「ジョン・ウィック」のCARの撃ち方は許せない、とキアヌ・リーブスに文句言ってあげて下さい。
(3)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 22:39 │小ネタ