2018年05月20日
コンバット・アキュラシー(1)

戦闘射撃における命中精度について2年程前に書きましたが、少々補足しようかと思います(当時の記事はここをクリック)。
ご存知のように、拳銃弾や小銃弾にはいわゆる「ストッピング・パワー」なるものは存在しません。キャリバー50となれば話は別ですが、それでも腹部や下半身に当たった場合は即座に「ストップ=無力化」させることは期待出来ません。ですが拳銃弾や小銃弾でたった1発で仕事を終えるためには、針の穴を通す位の精度で然るべき箇所に命中させる必要があります。狙撃銃では狙った「点」に当てることは可能ですが、拳銃や小銃ではなかなか困難です。
拳銃や小銃でも狙った「点」に当てることが出来ると言う人はいるでしょう。しかしその中で何人が移動間にて「点」に命中させることが可能でしょうか?恐らく殆どが停止間で「点」に命中させることしか想定していなかったのでは?狙撃は距離の離れた動く標的を撃つ場合でも、射手(狙撃手)は安定した姿勢を維持しています。しかしながら、拳銃や小銃で行う戦闘では、相手との距離はかなり近いものの、相手だけでなくこちらも移動と蔭掩蔽を繰り返します。その様な状況では「点」への命中は至難の業であり、ある程度の「狙いの緩さ」が必要になります。
この「狙いの緩さ」とは、相手に十分なダメージを与えられる程度に弾着が散らばっていることで、決して狙った相手を外れてその周囲や後ろにいる他人に被害が被ることではありません。十分なダメージを与えられる程度の弾着の散らばりとは、言ってみれば狙点からの着弾点のズレの「許容範囲」であり、この「許容範囲」内に収まる弾着が戦闘射撃に必要なコンバット・アキュラシーになります。
(2)へ続く
Posted by Shadow Warriors Training at 21:51
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