2018年03月25日

タイムラグ短縮への挑戦(3)

タイムラグ短縮への挑戦(3)
 第1回、第2回では射撃・運動・連携(Shoot・Move・Communicate)の射撃と連携に大きく関わる部分についてケーススタディを紹介しましたが、今回はそこに運動(Move)を加えた場合でのケースについて説明します。

 敵へプレッシャーを与えるために前進する、あるいは敵から遠ざかるために後退するには、誰かの援護射撃下になければ動くことは出来ません。この様なケースでは、「Move!」や「Moving!」などと言葉を交わして移動するタイミングを互いに計る必要がありますが、「動きたい」といった自分がやりたい事と、「動いて良い」といった仲間による許可が一致しなければならず、誰かが撃っているからといって必ずしも自分が動いて良いタイミングであるとは限りません。効果的な援護射撃が確立していない状況で移動すると、敵からの弾を集中的に喰らうことになります。

 よって、仲間から「Move!」と言われない限り、何度「Moving!」とリクエストを続けようとも動くことは出来ません。ですが、「Move!」のリクエストに対する「Moving!」の答えを受けてから移動することがデフォルトとしてSOPだけでなく身体に染み付いていた場合、移動するタイミングが来ても移動が遅れる事に繋がりかねません。どういう事か説明すると、誰かが効果的な援護射撃を確立出来た後に、こちらからの「Move!」のリクエストを待たずして「Moving!」と指示する場合もありますが、その際に直ぐに移動する場合と、もう一度「Move!」・「Moving!」のやり取りを挟んでから移動する場合とでは、移動するタイミングにタイムラグが生じます。

 Shoot・Move・Communicateは遅滞なくスムーズに行われる必要があります。このサイクルで遅れが生じると、その隙を敵につかれて対応が後手に回ってしまうことに繋がります。敵よりも早く、敵よりも効果的にShoot・Move・Communicateを実施出来た側に勝利の女神は微笑みます。チーム戦術では特にCommunicateの部分が重要ですが、訓練を積まないとこのCommunicateの部分がいち早く機能しなくなります。個人的な技術を磨くだけでなく、Communicateを戦術として捉えて高度な訓練を繰り返すこともタイムラグの短縮へ重要な課題となります。
(終わり)



Posted by Shadow Warriors Training at 23:52 │小ネタ