2017年03月15日

リーダーシップとトレーニングについて(4)

リーダーシップとトレーニングについて(4)
 また、リーダーの立場にある人々からは時より「部下に任せても満足いくレベルの仕事が出来ないから、イザと成ったら自分が全部やる」との意見を聞きますが、これは残念ながらリーダーとして言っては欲しくない言葉です。部下の仕事内容に満足していない原因は、自分が普段彼らに対して満足いくレベルに達するまでの訓練を施していない証拠です。また、実戦で一番先にリーダーが戦闘不能にならない可能性はゼロですので、部下に対する訓練を怠るとイザという場合に部隊が機能しなくなりかねません。

 要は普段からのコミュニケーションが重要となります。部下がどれだけの知識と技能を有するのかを判断出来なくては、彼らが必要とする内容とレベルの訓練を与えることが出来ません。また彼らがどれだけ的確に他の者にそれらを教授出来るかを見極めなければ、全体に均一の内容の訓練を均等に施すことが出来ません。道筋を示すにも、道筋を修正するにも、投げっ放しでは到底不可能です。普段からコミュニケーションを密にして、相手が何を必要としているのかを探り出さないことには、自分が何をすべきかを見出すことは出来ません。

 リーダーは必ずしも独裁的な指導者や絶対的なカリスマである必要はありません。その代りコーディネーターとして機能するための高いコミュニケーション・スキルが必要になります。部下を訓練するためにも指導するためにも意見を聞くためにも、コミュニケーション・スキルは必須です。リーダーがその道の専門家を正しく使うことで、自ら全てを背負うよりも、より早くかつ効率的に部隊全体の能力を高めることが出来ます。更に、指導者を育成しつつ未来のリーダーを育てる事にも繋がります。ご存知のとおり部隊の財産は「人」です。人が育たねば組織は機能しません。リーダーとしての責任や役割とほぼ変わらない立場にある指導者を部下に経験させることで、トレーニングを通じてリーダーシップを育成させることが出来ます。

 自分の代わりのため、部隊の将来のためにも、上司はトレーニングという機会を用いて部下にリーダーシップを訓練する機会を与えるべきです。
終わり



Posted by Shadow Warriors Training at 00:02 │小ネタ