2016年02月14日

トレーニングに必要なリアリティーとは?(2)

トレーニングに必要なリアリティーとは?(2)
 では、標的が状況に応じて様々な角度で床面に対して設置されることに適応した次の段階として射撃訓練にリアリティーを追求する方法はあるのか?次に考え方を変えて欲しいのは、自分が標的に対して位置する際の角度です。伝統的な射場の構成は右から左へ等間隔で標的が並んでおり、射手も同じように並んでいます。このやり方では射手は自身の正面にある標的しか撃ちません。しかし、このやり方でしか訓練していない場合、「標的に必ず正対しなければならない」との偏った図式が無意識のうちに脳内に埋め込まれてしまい、結果として正面の標的以外は他の射手の標的であると勝手に認識しがちになります。

 しかし、現実世界では味方と共に複数の相手と闘う状況において、周辺の遮蔽物や植生などの配置によってはそれぞれの正面にいるはずの敵は見えないが、仲間の正面にいる敵は自分の斜め方向に見えている場合も考えられます。その様な場合は互いの銃火が交差するいわゆるクロスファイアーにて敵と戦わざるを得ません。従って、正対する標的に正しく命中させることが出来るのであれば、次の段階のトレーニングとしては正面だけでなく斜め方向や横方向にある標的への射撃を訓練する必要があります。

 それを実現させる為の最一般的かつ簡単な方法は、写真のような複数標的への射撃があります。最初は同じ大きさの的を等間隔に設置しますが、上達するにつれて標的間の間隔を不均等にしたり、高さを不均一にしたり、標的の大きさを変えたりするなどして、変化を持たせます。それらを左から順番に撃ったり、番号をランダムにつけて1番から順番に撃ったりとすることで、異なる方向・高さにある標的の認識や次の標的への素早い照準といった実戦的な環境に少しでも近づけたリアリティーを追及することが可能となります。
(3)へ続く




Posted by Shadow Warriors Training at 22:14 │小ネタ