2014年05月18日

マズルブラスト

マズルブラスト
 こやつのマズルブラストは強烈です。一度隣で何の前触れもなく突然撃たれて、手元のノートや薬莢などが全て吹っ飛びました。人がスコープを覗いて600メートル先の標的に集中してる時は、ひと声掛けて欲しいもんです。おかげで標的は見失うわ、集中力は切れるわで、散々でした。まあ、敵の砲撃を直近に喰らったことを想定した良い経験になったかも知れませんが。

 それはさて置き、マズルブラストが強いと砂埃を立てたり、周囲の木々を揺らしたりするので、いくら完璧な偽装を施していても誤魔化し切れない「証拠」を残します。これら舞い上がる埃や不自然な木々の揺れは遠くからでも観察することが可能であり、それが敵狙撃手発見への手掛かりとなります。

 スナイパー訓練では、撃つだけでなく、撃たれる側からの観測も訓練プログラムに組まれます。観測地点の5~10メートル横にあるスチール製のターゲットに「カンッ」と音を立てて着弾します。場合によっては特有の衝撃波(弾の飛翔音)を肌で感じます。距離や風向きによっては僅かに遅れて何処からか「パンッ」と音がします。観測チームは、着弾から発射音までの誤差や風向き、衝撃波の方向などから大よその見当を付けて双眼鏡やスポッティング・スコープを用いて先に挙げたような動かぬ証拠を探します。大よその狙撃手の位置が分かれば、無線で追跡チームを誘導して狙撃手の位置をあぶり出します。

 スナイパー訓練では、この狙撃側と観測側を交替しながら何度も何度も繰り返し訓練することで、如何に発見されずに(証拠を残さずに)仕事をやり遂げるかのノウハウを身に付けます。



Posted by Shadow Warriors Training at 13:24 │小ネタ