2014年02月11日

IRON FIST 2014(2)

IRON FIST 2014(2)
 Immediate Action Drillの一場面です。IADとは、咄嗟の判断で対応するための訓練を言います。車列が襲撃された場合、近距離の敵から攻撃を受けた場合、敵狙撃手の攻撃を受けた場合、などなど多岐に渡る状況を個別に反復演練します。

 これらの「対応」訓練は一度成功したらOKとはいきません。何故なら「一度の成功」はただのまぐれであり、プロに必要なのは「一度も失敗がない」ことであるからです。以前のコラムでも、「素人は成功するまで訓練するが、プロは失敗しなくなるまで訓練する」と書きましたが、これが生死を分ける戦いへの準備として必要な心構えなのです。また、別の言い方では「Train hard, fight easy.(厳しい訓練をして、楽に戦う)」というのもあります。

 少し古い映画ですが、300(スリーハンドレッド)という作品をご覧になったでしょうか?あの作品で描かれたように、スパルタの戦士は普段から厳しい訓練を積んでいました。「スパルタ人は実戦が好きだった」との言われ方がありますが、これは戦闘が好きだったとの意味ではありません。彼らが実戦を好んだのは、彼らにとっては死者が出るほど熾烈を極めた普段の訓練よりも、実戦の方が明らかに楽に感じられたからです。

 素早い状況判断、的確な指示、条件反射的な対応、そして「運」。極限の状況で部隊の生存を左右するには、これらが重要な要因となります。「運」はどうしようもありません。しかし、残りはIADを繰り返すことで身体に染みつきます。

 まあやり過ぎると、予備自訓練で身体が勝手に反応して基幹隊員から訝しげな目で見られた上に周りの予備自が引く、なんてこともありますが...



Posted by Shadow Warriors Training at 19:30 │小ネタ