2023年06月12日

特殊作戦部隊員が抱える問題について(2)

特殊作戦部隊員が抱える問題について(2)
 コンタクト系スポーツにおける接触や転倒、自動車事故や転倒・転落などにより脳細胞が一時的に傷つく脳しんとうも外傷性脳損傷の一種ですが、特殊作戦部隊員の場合はその様なことが原因ではありません。脳しんとうは頭蓋骨の中で脳が強く揺さぶられることで脳細胞が一時的に傷ついたり機能障害に陥りますが、CT検査やMRI検査などの画像検査では脳の損傷が検出されないことが殆どです。一般人として生活している場合はその様な脳細胞の一時的な損傷を頻繁に経験することはありませんが、長い戦争を通じて日常的にブリーチングや近接航空支援を経験したことから、脳細胞の損傷を繰り返し経験したことにより外傷性脳損傷を発症する特殊作戦部隊員が多く存在する様です。

 ブリーチングにせよ近接航空支援にせよ確かに安全離隔距離は存在しますが、戦闘の局面では安全よりも戦術が優先されますので、教範で定められた距離より肉迫する場合はあります。ただ、破片などによる直接的な被害を受けない距離を保ったとしても、爆発の衝撃波は身体の芯に響くため、脳が頭蓋骨の中で振動します。これが原因で脳細胞が損傷を受けるのですが、スポーツや一般生活と異なりその頻度が異常に高いため、損傷が回復のペースを上回ることで、ある日突然物忘れが酷くなったり、感情的になったりと部隊にも家庭にも影響が及び、その結果として除隊を余儀なくされた隊員が存在するとのことです。

(3)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 00:08 │小ネタ