2022年09月12日

ピストル射撃について(3)

ピストル射撃について(3)
 射撃に適した姿勢や構え方が分かったのあれば、それを追及する演練を行えば良いのか?と問われますが、答えはYESでもありNOでもあります。勿論、常に理想の構え方で照準出来る様になることを求めて訓練を行いますが、それはあくまでもエンドステートです。実は一番重要なことは、ピストルを構える以前にあります。それは、ピストルを握るところから始まります。

 オープンタイプであろうがコンシールタイプであろうが、蓋やストラップなどのリテンション機能を解除してピストルを握りますが、理想の構え方が出来たとしても、最初の握り方に問題があると弾は狙い通りに当たりません。握りが悪いとリコイルマネージメントが達成出来ないからです。中にはホルスターから銃を抜いて両手で構えた段階で正しく握り直すと言う方もいるでしょうが、これは「射撃=紙やスチールの標的を撃つこと」との図式しか考えにない場合の意見です。

 本来、職務としてピストルを撃つということは、自己または他人に危害を加えようとする生きた人間が標的になります。自由意志を有する相手は紙やスチールの標的とは異なり、こちらに隙があると攻撃してきます。構えた銃を握り直すことはこの隙を作ることになりますので、実戦射撃においては構えたピストルは握り直しません。逆に、握り直す必要がない様に、ホルスターから抜く際に完璧なコンバットグリップを追及します。

 相手との距離があり、しかも両手で構えることが出来る余裕があれば、1000歩譲って握り直す余裕があるかも知れません。しかし現実問題としては、相手との距離は近く、両手で構える余裕もない状況があります。そのような状況では利き手だけでの射撃を強いられることになりますので、握り直しは出来ません。よって、常日頃から、ホルスタードローのタイミングで完璧なコンバットグリップを追及することを意識する必要があります。

(4)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 13:12 │小ネタ