2022年07月11日

警備について(1)

警備について(1)
 本来であれば射撃術に関するブログを書く予定でしたが、頭の狂った気違いによる安倍晋三元総理の暗殺事件を受けて、トピックを変更することにしました。

 動員する警備要員の規模が本当に必要なのか?脅威見積もりは本当に正しいのか?警備任務では費用対効果が常に問われます。選挙はパブリック・イメージを重視しますので、制服・私服を含め大勢の警察官で対象者を囲むことはしません。しかし、今回の応援演説は急遽決まったこととは言え、背後に隙を生じさせたことは疑う余地もありません。

 暗殺の予兆や情報を掴んで事前に抑えることは可能ですが、実行そのものを抑えることは残念ながら不可能です。ですがTarget Hardeningを行うことで実行を延期させたり諦めさせることは可能です。Target Hardeningとは簡単に言えば警備態勢の強化ですが、多くの制服警察官の姿を見せたり、入場時の手荷物検査を実施なども含まれます。現に今回の犯人は岡山での演説時には手荷物検査が行われていたことから実行を諦めたと供述しています。

 しかしながら発生してしまった場合、何が出来るのか?大きく分けては警護対象者の救護と犯人の確保です。今回の事件では犯人の確保は素早く行われましたが、1981年3月に発生したレーガン大統領暗殺未遂事件を思い出させる感じでした。狙撃は別として、確実に被弾させるために犯人は至近距離まで近づこうとします。よって、射撃による応戦よりも突進してタックルする制圧が最も素早く効果的です。また、多数の聴衆が周囲にいる状況では警護員も射撃は出来ません。
警備について(1)

(2)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 00:38 │小ネタ