2021年01月24日
フラッシュライトについて(2)
フラッシュライトには大きく分けて、手持ちタイプ(ハンドヘルド・ライト)と武器に取り付けるタイプ(ウェポンライト/ウェポン・マウンテッド・ライト)の2種類があります。ライトを使用する目的としては、自身・仲間の進路を確認する、仲間へ合図を送る、対象を発見する、等といった技術的な側面の目的があります。また、仲間の姿を隠す、対象の注意を引き付ける、対象の目をくらませる、等といった戦術的な側面の目的もあります。
しかしながらフラッシュライトを用いた訓練を行うにあたってより重要な課題は、これらの目的を達成するためのテクニックを身に着けるだけでなく、フラッシュライトを用いる上で守るべき鉄則を体得することにあります。上に例として挙げたものは言ってみれば相手を撃つために必要なものですが、守るべき鉄則とは逆に相手から撃たれ難くするためのものです。
守るべき鉄則のうちの1つが、上の写真の様に自分の姿を浮き上がらせるバックライティングを避けることです。光源が自分の後方にある場合、敵から見て自分の姿がシルエットとなり浮かび上がりますが、この状態をバックライティングと言います。昔のルーメン数の低いライトでは街灯や電灯などの周りの光源との差が大きく無かったことから、周囲の光量によってはそれ程顕著に姿が浮き上がることはありませんでしたが、近年のやたらとルーメン数の高いライトでは確実にシルエットを浮かび上がらせてしまいます。
そしてもう1つがが、ライトを点灯させた状態のままにして自分の居場所を知らせてしまうテレグラフィングを避けることです。ライトを点けっぱなしで移動すると相手に動きを知らせてしまうことと同様に、停止間において自分の位置を知らせてしまうことになりますので、ウェポンライトであってもハンドヘルド・ライトであっても、ライトの点けっぱなしは致命的なミスとなります。
(3)へ続く
2021年01月09日
フラッシュライトについて(1)
技術の目覚ましい進歩によって、近年のフラッシュライトは一昔前のものとは比べ物にならない性能を有しています。私が大阪府警時代に使っていたLaser Product(現Surefire)社製の9Pライトはリチウム電池3本を使用し、当時最高の明るさを発揮すると言われていたキセノンランプを備えていましたが、それでも出力は90ルーメンでした。出される光はマグライトよりは白に近かったものの、蛍光灯で照らされた場合よりも照射対象が黄色っぽく照らし出される代物でした。
まあ、自分より前の世代の方々にとっては、単1電池を4本使う超強力マグライトを取り付けたMP5が最高にクールな装備だったそうですが。
あれからしばらくの間、様々なメーカーが出てきては異なるスペックのライトを次々と発表しましたが、大抵のものが60~100ルーメンであり、120ルーメンを超えるものは超ハイパワー扱いでした。それがLEDに取って代わった途端、急激にルーメン数が上がり始め、200ルーメンが最低レベルとなったかと思えば、今や400ルーメンあたりが最低レベルとなりました。中には800ルーメンを超えるものもあり、最近では1000ルーメン以上のものも珍しくなくなりました。
まるで、ベ〇ータが嘆いたように、「スーパー〇イヤ人のオンパレード状態」です。
因みに、野沢語で言うと、シュアファイヤーのフラッシュライトは、「しゅあふぇいやーのふらっしゅれいと」になるのでしょうか?
今回のシリーズでは、フラッシュライトに関するあれこれを述べたいと思います。
(2)へ続く
2021年01月01日
2021年のSWTについて
コロナ禍での年末年始となりました。2020年はコロナの影響でトレーニングの実施が全て予定通りにいかないといった問題がありました。正直なところ2021年は先行きが不透明な状態でスタートしましたが、これは皆さまにとっても同じだと思います。この状況を打破出来るよう、皆さまが心身共に健康な一年を過ごせるよう、希望をもって新しい年のスタートを迎えたいと思います。
さて、SWTは2021年よりLPを一部改訂しました。より一層の実戦的なドリルを組み入れることで、射撃コースの名称をPistol GunfightとRifle Gunfightに変更しました。また、射撃コースのレベル3的な扱いであったClose Quarters Gunfightの内容を一新し、前段はアクティブ・シューター対策を中心としたドリル、後段を武装した状態での格闘と変化させました。
加えて、SWT公式HPにて訓練資材の販売を開始しました。現時点で取り扱っている商品は救急包帯とケムライトですが、順次ニーズに応じて種類を増やしていく予定です。
何れの変更もSWT公式HPに既にアップされていますので、ご確認下さい。
それでは2021年も多くの方に訓練でお会い出来ることを楽しみにしております。