2018年02月25日

プロ用コースの改定について


 プロ用コースの一部を改訂します。これまでCQBは2コース体系でしたが、内容の充実化を図るために3コース体系とします。

 SUT-CQB 1Aでは建物へのアプローチ、廊下や階段の移動要領と脅威への対処要領を訓練します。SUT-CQB 1Bでは様々なタイプの部屋へのエントリーを始め、室内の障害物や接続する部屋への対処要領などを訓練します。なお、これまで通り、こちらのコースへの参加にあっては、SUT-Bを修了している必要があります。

 そしてCQB 1Aと1Bの修了者は、SUT-CQB 2へと進むことが出来ます。このコースでは、スナイパーとの連携、ホステージ・レスキューやフラッド戦術を訓練します。

 また、CQB 1Aと1Bは「実射」なしでの訓練も可能です。その場合は、隊舎や庁舎内などでも訓練が可能ですので、陸自普通科(及びそれに準ずる部隊)や機動隊銃器対策部隊などに所属される方々は、「実射」なしの場合に限りSUT-Bを修了していなくとも受講が可能ですのでご検討下さい。

 詳しくはこちらをご覧ください。

 以上  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:32お知らせ

2018年02月12日

ハイリスク・ローリターン(ノーリターン?)


 とある訓練でのルームエントリー直後の様子の写真です。部屋全体の構造や写真手前側の状況(脅威やコーナーなどの存在)は不明ですが、それでもこの写真からエントリーが失敗であることが見て取れると思います。

 何故そう言えるのか?それは写真左奥に潜む仮想敵の銃口を振らせることが出来ていないからです。

 ルームエントリーはリスクを伴います。しかしながら、リスクの程度は脅威によるものだけでなく、自部隊の戦術によっても左右されます。勿論ノーリスクにすることは出来ませんが、戦術を上手く使い分けることでこの写真の様な設定でもミディアム程度までリスクを下げることは可能です。

 では、リスクを低減させてリターンを上げるには何が必要なのか?それは突入の目的と目標を理解し、共有することです。教範通りに行けば1番員の逆方向に2番員、その逆方向に3番員と続きますが、それはあくまでも教範での話しです。或は、紙の標的しかないキルハウスでのやり方です。ですが実際には部屋の状況や隠れている脅威の存在によって突入要領を変更させ合わせる必要があります。そしてこの臨機応変さを実現させるには、突入前にどれだけ状況を理解して、どれだけその状況への対応策を考えて仲間と共有出来ていたのかが鍵となります。

 勇んで勢いのまま突入すると、室内の脅威に対応するどころかそれら脅威を正しく認識することさえ出来なくなります。人間が一度に処理出来る情報量とスピードには限界があり、まして緊張状態においては情報処理はおろか状況認識ですら正しく行えるか疑問が生じる場合もあります。ですので、突入後の臨機応変さはあまり期待出来ません。リスクの低減は、突入前の行動に左右されます。

 残念ながらこの写真の部屋でどの様に突入するのがベターであったかは、警察官・自衛官の戦術的優位性を保つためにブログでは書けません。まあ、ヒントは既に書いていますが...  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:46小ネタ

2018年02月05日

移動時の銃の構え方について(3)


 つまり銃を構えるということは、混在間における数ある対象の中から脅威を正しく認識して、またその脅威レベルを正しく判断して、必要な措置として銃口を向けて「対処」する必要があると判断されることが前提条件と言えます。そして脅威の認識や脅威レベルの判断は、広い視界の確保なくして実現することは困難です。上の写真は実際のとある事件現場において犯行時に撮られたものです。ナイフを持った暴漢が無差別に人を次から次へと刺した事件ですが、この様な敵と第3者が混在する状況においてサイトやスコープを覗き込んだ状態で前進したところで、誰が脅威でどの様な武器を所持しているのかを素早くかつ正しく認識することが出来るのでしょうか?

 構えた銃は目線と同じ高さにあると思われがちですが、実際はサイトやスコープが目線と同じ高さにあって銃そのものは目線より下に位置します。そして銃本体によって目線の高さより下にあるものは銃が邪魔をしてサイトやスコープを覗き込んだ際には見えません。加えて脅威であるか否かの判断は人相や服装を認識によるものではなく、所持品が何であるかの認識によります。つまり、銃口を正面に向けてサイトやスコープを覗き込んだ状態では相手が何を所持しているのか100%確実に認識・識別することは困難となります。

 従って、脅威を認識・識別するまでは広い視野を確保するために銃口はハイ・レディかロー・レディにて構えることが望ましく、脅威を認識・識別した後に初めて相手の胸部や頭部を狙うように銃口を正面に向けてサイトやスコープを覗き込んで銃を構えるやり方が現実的です。レスポンス・タイムの短縮は確かに重要です。ですが、撃つためには敵味方の識別が絶対条件として必要であり、敵味方の識別のためには正しく相手が見えていることが大前提となる事を今一度認識して下さい。
終わり
  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:06小ネタ