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Posted by ミリタリーブログ at

2020年01月26日

潜在意識と顕在意識(2)


 身体が無意識に動いた際に、不必要であったり不十分な動作が顕著に表れるのが夜間などのローライト・ノーライトの状況下です。自分から敵が見える・見えないだけでなく、敵から自分が見えるか・見えないかも常に考慮した訓練を行っていないと、昼間でしか役に立たない動作を夜間に無意識に行ってしまうことに繋がります。

 その1つの例が弾倉交換です。一時期某氏の真似事が流行り、猫も杓子も弾切れになると銃を斜め横に傾けて薬室の状態を目視してから弾倉交換を行う様子が見受けられました。しかし、この方法は昼間や照明などがある環境でしか役に立ちません。ですからこの手法が身体に染みついてしまうと、薬室の状態が見えるはずのないローライト・ノーライトの環境でも同じ動作を身体が無意識に行ってしまいます。弾切れを起こした場合、本来は弾倉交換と同時に生存のために取るべき行動があるのですが、誤って刷り込まれてしまった潜在意識が薬室の目視確認といった優先順位の低く、かつ夜間では不必要な行動を行ってしまうのです。

 ここで、ライトを使って確認すれば良い、と言う人がいるかも知れませんが、その様な人はローライト・ノーライトの基本がそもそも分かっていない人です。ローライト・ノーライトでは、自身の姿を暗闇に溶け込ませている事が戦術的優位性となりますので、むやみやたらにライトを点灯させることは避ける必要があります。特に近年のやたらと出力の高いライトを用いれば、手元の陰影が飛んでしまって極短い時間でハッキリと薬室の状況を確認することは極めて困難です。また、敵から離れていたり隠れていてもルーメン数が高すぎることから居場所を暴露してしまう可能性が高くなります。更に、ルーメン数が高いライトで起こり得る最悪の問題は、手元を照らした際の反射で暗順応を失ってしまうことです。

(3)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:32小ネタ

2020年01月12日

潜在意識と顕在意識(1)


 人間には顕在意識と潜在意識とがありますが、極限状態でも闘い続けられるか否かは様々なテクニックが潜在意識として個人に備わっているか(染みついているか)に左右されます。個人レベルの射撃技術をトレーニングする際には様々な状況を想定したドリルを演練しますが、命中精度を上げることや制限時間と勝負することは本来の目的ではありません。それらは何れも練度判定の材料として客観的に評価し易くするためのものであり、本当に重要なことは、正しいやり方で繰り返し行う事です。

 何故なら、潜在意識とは習慣であるからです。例えば格闘において相手の攻撃を受けてしまい不利な状況に置かれたとしても、意識することなく腕が勝手に頭部や頸部を守るようにガードする場合としない場合とでは、第2撃に対する防御力に大きな差が出ます。射撃でも同じで、戦闘中に銃が装填不良や排莢不良を起こした際に、故障排除の一連の動作を行う前に素早く遮蔽物の陰に入る動作が自動的に行われるか否かで生存率に大きな差が出ます。

 では、その様な行動を繰り返し演練することで潜在意識としてインプットされるのか?答えはYESですが、単に繰り返すだけでは不十分です。初めに延べた様に、正しいやり方を繰り返し演練しなければ、間違ったやり方や中途半端なやり方が身体に染みついてしまうだけです。見栄えだけが良かったり早いだけでは意味がありません。目的は生き残ることですので、その目的を達成するために不必要な動作や不十分なやり方が普段演練している動作に含まれていると、極限状態で身体が勝手に動いた際にはその様な不必要な動作や不十分なやり方が行動として表れてしまいます。

 火事場の馬鹿力(自分のようなキン肉マン世代には火事場のクソ力の方がしっくりきますが)という言葉があるように、速さや強さは本人が認識している以上のものが発揮されることはありますが、動作そのものはトレーニングした以上のことをパフォーマンスとして発揮することは出来ません。視界不良や負傷など、様々な状況においても生存に必要な正しい行動が無意識にとれるか否かは普段のトレーニングの内容だけでなくやり方に大きく左右されます。

(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 22:32小ネタ