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Posted by ミリタリーブログ at

2018年05月28日

コンバット・アキュラシー(2)


 警察任務や軍における警備任務においては、自らの銃から発せられた弾は狙った相手に命中しようが外れようが、その1発1発に法的責任を問われます。よって数を撃って相手を制圧する場合でも、相手の身体を外れた弾と、相手のバイタルエリアは外れたものの身体に当たった弾とでは法的な性質や責任が大きく異なります。相手の身体を外れた弾は無関係な第3者の財産に損害を与えたか、最悪のケースでは第3者の命を奪うことに繋がります。そうなれば、その場で引き金を引いた状況判断だけでなく、何故命中しなかったのか?といった日頃の訓練内容が法廷で争われることになります。そして、そもそも日頃の訓練で移動間における移動標的に対する命中精度に係る徹底した訓練がなされていたのか?も争われることになります。

 よって普段の訓練においては、様々な状況を想定してそれぞれの状況下での適切な弾着の許容範囲=コンバット・アキュラシーを理解する必要がありますし、教える側はそれら状況下における許容範囲を示す必要があります。また、異なる状況下とは、バリケードを挟んだ状況は勿論、腕を伸ばせば相手に触れることが出来る程度の距離で対峙した場合や、射手と敵との間に味方や第3者が混在している状況など様々です。よって訓練では、それら状況下において如何にして命中させるかだけでなく、如何にして味方や特に第3者への損害を減らしながら相手に効果的な命中弾を浴びせられるかが課題として挙げられる必要があります。

 そして、その様なリアリズムを追及した訓練では、ただ単に構えた銃を撃つのではなく、
 ・どうすれば自身への被害を最小限に出来るのか
 ・どうすれば第3者への被害を避けれるのか
 ・どうすれば敵を素早く無力化出来るのか
 ・弾切れを起こした場合はどうすべきか
 ・銃が故障した場合はどうすべきか
等々を、相手との距離や周囲の地物や地形をよく理解して、常に考えておく必要があります。何故なら問題が起こってから考えを張り巡らせるのは命を懸けた状況では遅すぎるからです。よって、訓練ではリアリズムを追及した様々な現場で起こり得る状況を「再現」させて、各人に「撃つ」よりも前の段階で「考える」ことを要求することが求められます。

 標的射撃や競技射撃に必要なのはShooterですが、戦闘射撃に必要なのはThinkerです。Travis HaleyのトレーニングスクールのモットーがThinker before Shooterとなっていたり、James YeagerのスクールのロゴがM4を背負ったロダンの考える人であるのは確固たる理由があるからです。
(3)に続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 22:29小ネタ

2018年05月20日

コンバット・アキュラシー(1)


 戦闘射撃における命中精度について2年程前に書きましたが、少々補足しようかと思います(当時の記事はここをクリック)。

 ご存知のように、拳銃弾や小銃弾にはいわゆる「ストッピング・パワー」なるものは存在しません。キャリバー50となれば話は別ですが、それでも腹部や下半身に当たった場合は即座に「ストップ=無力化」させることは期待出来ません。ですが拳銃弾や小銃弾でたった1発で仕事を終えるためには、針の穴を通す位の精度で然るべき箇所に命中させる必要があります。狙撃銃では狙った「点」に当てることは可能ですが、拳銃や小銃ではなかなか困難です。

 拳銃や小銃でも狙った「点」に当てることが出来ると言う人はいるでしょう。しかしその中で何人が移動間にて「点」に命中させることが可能でしょうか?恐らく殆どが停止間で「点」に命中させることしか想定していなかったのでは?狙撃は距離の離れた動く標的を撃つ場合でも、射手(狙撃手)は安定した姿勢を維持しています。しかしながら、拳銃や小銃で行う戦闘では、相手との距離はかなり近いものの、相手だけでなくこちらも移動と蔭掩蔽を繰り返します。その様な状況では「点」への命中は至難の業であり、ある程度の「狙いの緩さ」が必要になります。

 この「狙いの緩さ」とは、相手に十分なダメージを与えられる程度に弾着が散らばっていることで、決して狙った相手を外れてその周囲や後ろにいる他人に被害が被ることではありません。十分なダメージを与えられる程度の弾着の散らばりとは、言ってみれば狙点からの着弾点のズレの「許容範囲」であり、この「許容範囲」内に収まる弾着が戦闘射撃に必要なコンバット・アキュラシーになります。
(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 21:51小ネタ

2018年05月14日

車両戦術コースについて


 先週より新たに開講した車両戦術コースについて、最も多く質問を受けたフィールドの必須付帯設備についてブログを通じて回答します。

 このコースでは「標的として使用可能な車両が必要である」としていますが、これはトレーニングでダメージを受けても問題のない車両が必要であるからです。当コースでは、車内から車外への射撃、車内からの脱出などを訓練しますので、自家用車を用いて問題ない方を除いて、付帯設備として車両が備えられたフィールドを確保して頂く必要があるからです。

 なお、「窓を下すことが出来る」とは、車外への射撃の際に実弾であればガラス越しに撃つことが可能ですが、BB弾では窓を下ろして撃たないと車内へ跳弾が発生するからです。また、フロントガラス越しやリアガラス越しの射撃も実施しますので、出来れば4面窓のない車両があればベストです(最低でも左右2面はガラスがないか、窓を下せる必要があります)。

 加えて、コースの後半では車両伏撃を行いますので、少々乱暴に扉を開閉させたり、ダミーのスタングレネードを投げつけたりします。よって、自家用車を用いて構わないという方は別として、フィールドの付帯設備として車両が必要かと思います。

 なお、コースの進捗状況にもよりますが、フィールドにバスが備わっている場合、セダン車に対する伏撃を演練した後にバス・アサルトの実施も可能です。バス・アサルトは列車にも応用できる戦術ですので、是非ご検討下さい。  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:09お知らせ

2018年05月06日

車両戦術コース受付開始


 プロ用コースに新たに車両戦術コースを追加しました。このコースでは移動中の車両(あるいは車列)が受ける伏撃のパターンとそれらに対する対処要領に加え、敵の制圧や人質の救出を目的とした基本的な車両伏撃戦術を訓練します。

 このコースでは、標的としてダメージを受けても問題のない車両がフィールドの付帯設備として必要です。また、車両はドアの開閉が可能である必要がありますが、窓ガラス(フロント・リア・サイド共に)必要ありません。窓ガラスがある場合は、窓を下すことが出来る必要がありますので、コース予約に先立ち必ずフィールド側に車両の状態を確認して下さい。

 なおこのコースへの参加資格は、FP2、FR2又はFS2の修了が必須であり、SUT-Bの修了を推奨としています。詳しくはこちらまで。

 皆さまからの受講申し込みをお待ちしております。  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:48お知らせ