2020年01月12日

潜在意識と顕在意識(1)

潜在意識と顕在意識(1)
 人間には顕在意識と潜在意識とがありますが、極限状態でも闘い続けられるか否かは様々なテクニックが潜在意識として個人に備わっているか(染みついているか)に左右されます。個人レベルの射撃技術をトレーニングする際には様々な状況を想定したドリルを演練しますが、命中精度を上げることや制限時間と勝負することは本来の目的ではありません。それらは何れも練度判定の材料として客観的に評価し易くするためのものであり、本当に重要なことは、正しいやり方で繰り返し行う事です。

 何故なら、潜在意識とは習慣であるからです。例えば格闘において相手の攻撃を受けてしまい不利な状況に置かれたとしても、意識することなく腕が勝手に頭部や頸部を守るようにガードする場合としない場合とでは、第2撃に対する防御力に大きな差が出ます。射撃でも同じで、戦闘中に銃が装填不良や排莢不良を起こした際に、故障排除の一連の動作を行う前に素早く遮蔽物の陰に入る動作が自動的に行われるか否かで生存率に大きな差が出ます。

 では、その様な行動を繰り返し演練することで潜在意識としてインプットされるのか?答えはYESですが、単に繰り返すだけでは不十分です。初めに延べた様に、正しいやり方を繰り返し演練しなければ、間違ったやり方や中途半端なやり方が身体に染みついてしまうだけです。見栄えだけが良かったり早いだけでは意味がありません。目的は生き残ることですので、その目的を達成するために不必要な動作や不十分なやり方が普段演練している動作に含まれていると、極限状態で身体が勝手に動いた際にはその様な不必要な動作や不十分なやり方が行動として表れてしまいます。

 火事場の馬鹿力(自分のようなキン肉マン世代には火事場のクソ力の方がしっくりきますが)という言葉があるように、速さや強さは本人が認識している以上のものが発揮されることはありますが、動作そのものはトレーニングした以上のことをパフォーマンスとして発揮することは出来ません。視界不良や負傷など、様々な状況においても生存に必要な正しい行動が無意識にとれるか否かは普段のトレーニングの内容だけでなくやり方に大きく左右されます。

(2)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 22:32 │小ネタ