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Posted by ミリタリーブログ at

2013年10月09日

SATマガジン記事への補足(2)


 第2回目の「被弾を避けるにはどうするか」についてです。

 被弾を避けるには1)敵から遠ざかる、2)暴露面を小さくする、そして3)反撃するが重要であると書きましたが、もう少し補足したと思います。

 反撃するとは闇雲に撃ち返すことではありません。確かに撃ち返すと相手は姿を隠すなどして被弾を避けようとしますが、よく訓練されている場合は狙って撃っているのか闇雲に撃ち返しているのかの判別が容易につきます。従って、反撃する際に注意することは、「命中させる」ことにあります。確かに敵との距離に応じて戦術(反撃時の射撃速度など)を臨機応変に変えていく必要はありますが、映画やゲームの世界とは異なり1人が携行出来る弾数や補給のタイミングには制限があります。

 よって、敵を素早く無力化するだけでなく、弾薬を温存する観点からも、無駄撃ちは避けるべきです。なぜ弾薬の温存をそこまで考慮しなければいけないのか?それは、その戦いが唯一の戦いである保証がないからです。首尾よく離脱したところで、間髪入れずに敵の別部隊と交戦する可能性もあるからです。

 そしてこれら戦術を適用していく中で重要なことが、ストレスのコントロールと己の限界を理解することとなります。銃撃戦が始まるとアドレナリンが噴出して興奮状態に陥ります。SWTのクラスを受講された方はこのアドレナリンの影響について少なからずとも理解されていると思いますが、アドレナリンは時として人体に悪影響を及ぼします。このことを理解・予期し、効果的に抑制・開放しなければ、パフォーマンスが低下することを避けられないだけでなく、最悪の場合では戦闘を継続させることが不可能となります。

 更に、アドレナリンの影響の有無に関わらず、与えられた状況で自身がどの程度のパフォーマンスを生み出せるのかを訓練によって事前に知っておかなければ、いざという場面でパニックを起こしたり自らが生み出したストレスで潰されることに成りかねません。訓練で己の限界を知り、それを克服するために精進する。そして新たなレベルに達した時に、新たな限界を知る。このサイクルを繰り返すことが戦士には要求されます。  

Posted by Shadow Warriors Training at 09:13小ネタ

2013年10月08日

SATマガジン記事への補足(1)


 SATマガジンに掲載中のWarrior Development Course(WDC)の補足をしたいと思います。記事には字数制限がありますので、書き切れなかった分を当ブログにて補足・追加説明していきます。

 まずは第1回目の「敵のどこに弾をあてるか」について。

 まあ想像すれば「どこ」なのかは自ずと答えは出てきますが、色々と問題視されたり当ブログが「炎上」すると関係各所にご迷惑がかかりますので、明確な場所はあえて明言しません。ここで補足したいのは、命中した場所によって敵に与える影響(結果)の違いについてです。

 カテゴリー分けすると、1)瞬時に無力化、2)破壊的な負傷、3)迅速な無力化、4)心理的な停止の4つが考えられます。簡単に説明しますと、1)は完全な無力化であって、絶命させることで反撃させないことを言います。2)は、身体に重大なダメージを与えることで、生存しているものの反撃の手段と機会を奪うことを言います。3)は、破壊的とはならない程度に負傷させることで、急速に弱らせて反撃の手段と機会を速やかに奪うことを言います。

 1)~3)は、こちら側の行動の違いによって起こり得るものですが、最後の4)については、こちらの行動に対する相手の反応になります。要は2)や3)のケースで反撃の手段と機会を奪ったものの、反撃の意思までは奪い切れていません。どの様なケースであれ、相手に反撃の意思が残っているのであれば、戦闘は継続中と考えるべきです。しかし相手によっては、十分な訓練がなされていないことや、その時の精神状態などを理由に、自ら反撃の意思を捨ててギブアップすることも考えられます。これが4)の心理的な停止ですが、問題は見た目には判別がつき難いことにあります。

 戦闘というのは「撃ち合い」だけではありません。銃撃戦の最中はもちろん、それ以外においても「騙し合い」が行われます。したがって、敵を騙すことはしても、決して騙されることは避けなければなりません。「敵の宣伝に乗ぜられるな」です。相手が本当に心理的に停止した状態にあるのか?それともそう見せかけて反撃のチャンスをうかがっているのか?これは、一見しただけでは判別できません。つまり、最後まで気を緩めてはならないと言う事です。

 敵にこの程度の攻撃や負傷を与えれば降参(投降を含めて)するだろう、と考えるのは非常に危険です。敵が同じ価値観や考え方を有する保証はどこにもありません。自らの価値観や考え方のみに基づいて(形はどうあれ)戦闘を終結させる。このことが生存への唯一の道となります。  

Posted by Shadow Warriors Training at 10:32小ネタ