2018年08月26日

CQB戦術、ソロvs.チーム(2)


 マインドセット(戦術的心構え)なしでは優れた身体能力や最新の装備もそのポテンシャルを一切発揮することなく終わります。戦術的心構えとは、突入の際の単なる勇気や、交戦に備えた攻撃的な思考などと勘違いされることがありますが、実際はそうではありません。戦術的心構えとは、正しくは、深い状況認識からなる自己及び敵の戦術的優位性と劣性の理解を基にした任務を遂行するための行動原理のことを言います。

 言葉で書くと少々難しく感じますが、要するに与えられた状況下でやるべき事を如何に早く正しく認識出来るかのことです。紙の標的を相手にした訓練とは異なり、自由意志を持った人間を相手にした闘いでは刻々と変化する戦況をより正しく理解し、己が取りたい行動(=理想)と取れる行動・取るべき行動(=現実)の違いを明確に区別出来ないと不用意な行動や無駄な行動を取って戦術的優位性を失うことになります。戦術的優位性とは、例えば、バリケードに対する自己の立ち位置や、部屋への突入の際の戸口への進入角度などが挙げられますが、これらは敵の位置(或は敵がいると思われる位置)や部屋や建物の構造を予測しなければ正しい立ち位置や進入角度を見出すことは出来ません。

 従って、射撃技術や戦術よりも、先ずはマインドセットが必要となります。そして、ソロとチームでは当然個々に与えられる条件や制約が異なりますので、ソロの場合とチームで行動する場合とでは戦術のベースとなるマインドセットそのものにも違いが出てきます。この違いが判らずに切り替えが出来ないと、最悪の場合自己のみならずチームを危険に晒すことになります。
(3)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:01小ネタ

2018年08月12日

CQB戦術、ソロvs.チーム(1)


 ここ暫くアホみたいに忙しくしてましたので、随分と久しぶりの投稿になります。待っていた皆さん、どうもお待たせ致しました。SWTは生きてますんで、よろしゅう頼んます。別に待ってなんだ方はどうでもええわ。銃器のスペックとか装備品のレビューとか、銃撃戦をするうえで何の役にもたたん知識でも身に付けてくれ。

 では、今回のテーマはソロとチームの場合におけるCQB戦術についてです。ソロでCQB?と疑問を投げかけられるかと思いますが、決して非現実的ではありません。部隊とはぐれたり部隊が壊滅したりで、何とか別の部隊と合流するまで生き延びるには単独でその場を切り抜ける必要があります。また、制服警察官にとっては、一番乗りで現着したら誰か応援が来るまで単独でその場を切り抜ける必要が生じます。

 勿論、人質を取って要求を述べてくる立て籠もり事案と、今まさに殺害行為が行われているアクティブシューター事案とでは取るべき戦術は異なりますが、今回のテーマでは迅速な武力介入が必要なケースに絞ります。まあ、反対のケースでとりあえず包囲して犯人が疲弊するのを待つ「トラディショナル」な戦術は「組織」が得意としていますので、SWTでは一切教えてませんので。

 では、武力介入が必要となった際にソロであろうがチームであろうが、先ずは何が必要となるでしょうか?
武器?防弾装備?通信装備?人員?残念ながら、ここに挙げた全ては不正解です。そんなもん、その時に現場にあるもの以外存在しませんので、贅沢を言っている暇はありません。あるものだけで対応するしかないのが実情です。では、それら物理的なものでないとすれば、何が必要なのか?SWTで訓練を受けた方々はもう答えはお判りだと思いますが、答えは「マインドセット(戦術的心構え)」です。
(2)へ続く
  

Posted by Shadow Warriors Training at 23:27小ネタ