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Posted by ミリタリーブログ at

2013年06月27日

VEHICLEタクティクス(その3)


 何だかんだ言っても、やはり射撃訓練はメインです。様々な状況を想定しますので、写真のような究極のシュート・オン・ザ・ムーブも訓練します。

 これはドライバーと射手のコミュニケーションの訓練にもなり、非常におもしろいです。エンジン音・発砲音・爆発音などのノイズが多い中で、手信号なども交えていかに意思疎通を図るか、それぞれの訓練生が所属していた部隊での経験などを持ち寄って、色々と試します。そうすることで、ある種のソリューションを導き出し、以後の訓練に反映させて行きます。

 この訓練を実施するには、走行可能かつ廃車寸前の中古車を4~5台確保しなければなりません。Tactical Responseではそのような中古車を定期的に確保することが難しくなってきたことから、現在はVehicle Tacticsに特化したコントラクター・コースを開催していません。ニーズはあるにも関わらず開催することが出来ない状況を見て、社長のイェーガー氏は、「訓練生の持参品リストに、中古車1台って付け加えたろか?」なんて冗談まじりに言うてましたけど。

-終わり-  

Posted by Shadow Warriors Training at 17:40小ネタ

2013年06月25日

VEHICLEタクティクス(その2)


 接敵時に走行不能に陥ったら最悪です。車両が完全にダウンしたのなら、機密書類やGO BAGなどを持ち出すと同時に、車載型の無線機などを手榴弾などで破壊します。もし、パンク程度の損害で、タイヤを交換して離脱する方が得策だと考えられる状況であれば、戦闘中にタイヤ交換をしたり、牽引の準備に取り掛かります。

 不整地でのタイヤ交換には、コツと裏ワザが必要です。舗装された道路でしかタイヤ交換をした経験がないと、倍以上の時間を要するでしょう。牽引する際も、1秒でも早くフックを繋げるための裏ワザが必要です。もちろん、それらのワザはチームで共有しているべきであり、チーム全員がスムーズに処置できるようになるまで訓練は続けられます。

 また、ダウンした車両を力技で押し出す、ラミングと呼ばれるテクニックもあります。ギアをニュートラルに入れた車両を、後方の車両で押し出すテクニックです。後方の車両の運転手は、前方の車両が視界を遮っているので、道路状況が分かりません。そこで、前方の車両の乗員と無線交信を密にして、方向転換の角度とタイミングや減速・加速の度合いとタイミングを調整しますが、簡単には行きません。

 PSD訓練では、射撃訓練だけをやっている訳ではありません。およそ5割程度は、このような運転テクニックや戦闘衛生訓練などに費やされます。  

Posted by Shadow Warriors Training at 10:11小ネタ

2013年06月24日

VEHICLEタクティクス


 車両が絡んだ戦術のことを言います。運転中であったり停車中であったり、ケースは様々です。敵との距離も、数m程度から50m以上離れたケースまで様々です。また、乗車しているケースだけでなく、乗降中といった場面も含まれます。

 一口に乗車中と言っても、座席が運転席なのか後部座席なのかで、動きが変わりますので奥が深いです。この辺りの訓練は、特にハイ・リスクなPSD訓練プログラムでは必須であり、回避的運転やエンバス・デバスだけをやる一般のEPとの大きな違いと言えます。

 車内で射撃をする際には、ピストルとライフルとで撃つ際の注意点が異なります。また、作戦中に終始イヤプロを装着しているなら別として、イヤプロなしで行動中に射撃を必要とする状況が発生した場合、聴覚にダメージを受けることをある程度覚悟する必要があります。

 接敵時の対応としては、大きく分けて3つしかありません。しかし、その3つの対応策それぞれに様々なケースが想定されますので、カリキュラムを履修するには1日2日では到底足りません。

 どなたか広い敷地(私有地)と廃車処分された動く車お持ちでないですかね?  

Posted by Shadow Warriors Training at 13:20小ネタ

2013年06月18日

メディカル・ポーチの種類について





 メディカル・ポーチってどれが良いですか?とよく聞かれますが、色々なタイプが市場に出回っていますので、「特にこれ」とお勧めするものはありません。自分の装備やニーズに合わせて選択する必要がありますので、このコラムでよくある3タイプのメディカル・ポーチについて説明します。

 アーマーベスト、チェストリグ、ドロップレッグ、ベルトギアなど取り付ける位置は十人十色ですが、一番注意すべき点は、右手でも左手でも届く位置に配置することです。左大腿部にポーチを吊るしていて、左腕が被弾しない保証はありません。その際、右手が左大腿部のポーチに届かなければ、左腕のケアが遅れてしまいます。従って、可能であればティア・アウェイと称される取り外し式のポーチがベストです。ポーチ自体が取り外し式のパネルとセットになった物もありますし、別売りのパネルをポーチとプラットフォームの間に介することも可能です。

 1番上の写真は、一番典型的なメディカル・ポーチの例です。Specter Gear社製のポーチですが、取り外し式のパネルとセットになっています。ファステックで留められた蓋を外して、ベルクロを引き剥がすとパネルから本体を外すことが可能となります。この手のタイプのポーチは、通常、MOLLE3~4列分の幅を必要とします。

 2番目と3番目の写真は最近出始めたフラットタイプの例です。SOE社製のものですが、平らなスリーブの中に折りたたみ式のトレイが入っているタイプです。トレイの両端には引き出し用のハンドルが付いていますので、左右どちらの手でも引っ張り出すことが可能です。トレイはスリーブ内ではベルクロで固定されますので、走ったりしてもズリ落ちることはありません。この手のタイプのポーチは、ベストの腰あたりに配置しますが、ハンドルが障害物に引っかからない様に注意する必要があります。

 1番下の写真は、最も簡単なトレイタイプの例です。SOE社製のものですが、既存のマガジンポーチ(M4マガジン3本用)に入れることが出来ます。他のメディカル・ポーチに比べて容量は劣りますが、最低限のキットを携行することができます。この手のタイプの特徴は、MOLLE2列分の幅しかベストやベルトに余裕がないときでも、最低限のキットを携行することが出来るということです。また、戦闘服の大腿部のポケットに入れておくことも可能ですので、ポーチが無くても一まとめにしたキットを携行することが出来ます。

 その他、ポイントとしては、四肢の被弾時に真っ先に必要となる止血帯(ターニケット)は、メディカル・ポーチの中に入れずに、ポーチの外側や別の位置にゴムバンド等で縛り付けておくことが望ましいです。

 以上、ご参考までに。  

Posted by Shadow Warriors Training at 09:59小ネタ

2013年06月17日

適正なアーマープレートのサイズ


 間違えたサイズのプレートを着用していたり、装着位置が間違っている写真を雑誌やネットで数多く見かけます。よく見られる間違いは、大きすぎるサイズのプレートを着用しているケースです。サイズの大きいプレートを選択すると、横幅だけでなく必然的に縦の長さも大きくなります。そうするとプレートの下端部が下腹部付近にまで達することから、前傾姿勢が取りづらくなるといった弊害が生じます。次によく見られる間違いは、装着位置が適切でないケースですが、その殆どにおいて位置が低過ぎます。首を下に向けた際にプレートの上端が首に接触すると呼吸が苦しくなることから、非常に多くの方がプレートを本来あるべき位置よりも下に装着しています。

 そこで、防御力と機動力の双方を最大限に発揮するための、正しいサイズと適切な装着位置を説明したいと思います。先ずは装着位置ですが、前部プレートの上端は胸骨の上端に合わせます。更に、後部プレートの上端は首の付け根(具体的には第7頚椎の下端)に合わせます。そうすることで、首を不自由なく動かせることが出来るだけでなく、心臓に加えて冠動脈もカバーすることが出来ます。次に適正サイズの測り方ですが、必ず前後とも座った状態で計測します。そして前後ともプレートの下端は、ベルトの上端から指2本分上の位置に合わせます。こうすることで、窮屈な姿勢をとったり長時間車内に座っていても、プレートの下端部が下腹部を圧迫することがなくなります。また、一般的に、前述の「ベルトの上端から指2本分上の位置」までプレートで覆うことで、12椎ある脊椎全てをカバーすることが出来ます。

 プレートキャリアーは面積が小さいことから、取り付けることができるポーチの数に限りがあります。従って通常はプレートキャリアーはベルトギアと併用されますが、上記のサイジングが間違っているとベルトギアと干渉してしまいます。防御力と機動力のバランスを取り、かつ、弾薬携行量も維持するためには適正サイズと装着位置に十分注意する必要があります。  

Posted by Shadow Warriors Training at 21:03小ネタ