2016年04月24日

CQB射撃における小銃のコントロール要領


 最近はお知らせばかり配信してましたので、そろそろ小ネタを綴ろうかと思います。

 CQBでは小銃が本来設計された戦闘距離よりもはるかに近い距離で素早く、かつ正確に的(敵)に命中させる必要があります。特に屋内や見通しの悪い森林地帯や市街地などでは、敵の発見とほぼ同時に挙銃・射撃が行われない場合、起こり得る事象としては相手の弾が先に飛んでくることになります。またCQB射撃は中距離以上の射撃と異なり、伏射や膝射といった姿勢を安定させて射撃することが出来ません。CQBでは常に動きの中で、しかも移動する複数の敵を素早く正確に命中させる技術が求められます。

 と言う事で、近接戦闘における動きの中においても素早く正確に初弾を命中させ、かつ、次弾も素早く正確に命中させるための小銃(サブマシンガンを含む)のコントロールの要領を、これまで訓練で数万発を撃って体得した経験から解説したいと思います。

 1.身体を的に正対させ、上体をやや前方に傾ける。
 一般的な射撃姿勢では利き腕側の肩を後に下げることで的に対して斜めを向いた姿勢になりますが、上体を的に正対させ、かつ銃を身体の中心近くで保持する方が、動きの中で銃の反動をコントロールしながら正確かつ素早く複数の弾を命中させる技術が求められるCQBでは有効です。また、上体をやや前方に傾けるのは反動を体重で相殺させるためですが、ここで極端に前屈みになるのは間違いです。結局のところ窮屈な姿勢で動きが悪くなれば、敵に当てて下さいと言っているのと同じです。前後左右に素早く移動出来るためには、背骨の上に頭が乗っている通常の姿勢よりやや前方に傾く程度が理想です。
 また、その際の足の位置はどこでも構いません。両足が肩幅程度に開いて重心がやや下がっているのが理想ですが、動きの中で足が何処に着いていようが撃つべき時には撃つ必要があります。極端に言えば片脚が宙に浮いている状態でも撃発する必要があります。よって、腰から上が、上記の姿勢を保っていれば構いません。

 2.銃を身体の中心近くで保持する。
 一般的な射撃姿勢では床尾は肩につけます。固定標的に対する中距離以上の射撃では勿論その構え方の方が安定して銃を保持出来ますが、前後左右に移動しながら銃の反動をコントロールするには、床尾は肩でなく胸に置く方が向いています。特にメディック・バックや背嚢、サスペンダーなどにより肩付けが甘いといくら近距離でも当たりません。床尾はそれらのストラップより身体の内側に入れます。そして、肩でなく身体の中心に近い位置で銃の反動を受けた方が、身体が斜めに開きません。
 ここで重要なのは、握把を握る手です。握りが浅いと銃が反動でブレ易くなります。しっかりと深く握って、更に身体に引き付けることが大切です。利き腕で銃を身体に向けて引き付けながら、上体をやや前方に傾けて身体で銃を押す。こうすることで床尾を身体にしっかりと密着させる姿勢が完成します。ただし、極端に強い力で銃を引き付ける必要はありません。利き手だけで銃を保持出来得る程度の力で引き付けるだけで構いません。
 移動間射撃ではいかに銃を安定させておくかが鍵となります。動きが大きくなったり、運動量が上がると人は肩が動きます。床尾が肩に付いていると、肩の動きに追随して銃が動くことになります。反面、身体の中心部はそれ程大きく動きませんので、肩で構えるより身体の動きに伴う銃のブレは少なくなります。

 3.非利き手は、被筒部の出来るだけ先端近くを握る。
 止まった状態ではマグウェルを握る構え方で、より銃を身体に引き付けて安定して保持することが可能となりますが、動きのある中では逆になります。銃をより長く掴む方が、移動しながら上下左右の的に銃口を振りながら射撃する際のコントロールが上がります。銃を長く掴むとは、両手の間に銃のどの程度の長さが入るかを表します。握把とマグウェルの場合は25cm程度ですが、握把と被筒部前端の場合は50cm程度という事です。
 なお、中距離以上の射撃では被筒部を握る手は軽く握るだけで、力を加えないのがコツですが、CQB射撃では被筒部を握る手は強すぎない程度にしっかりと握り、握把を握る手と同じように身体に向けて真直ぐ引き付けることが重要です。

 上記の3つのポイントを理解し銃を保持したなら、あとは正しい照準を維持しながら引き金を正しく引くだけです。反動は上体の体重と、身体と腕で圧縮するような構え方から発生する強い保持力によりコントロールされます。よって、射手は照準と引き金だけに意識を集中するだけで、移動間における移動標的に対する素早くかつ正確な命中を達成することが可能となります。アーマーなどの装備に応じては多少床尾をあてがう位置に工夫が必要ですので、色々試しながら自分の身体と装備に最もベストな方法を見出して下さい。  

Posted by Shadow Warriors Training at 13:08小ネタ