2016年06月04日

故障排除(2)

故障排除(2)
 では前回説明した3タイプの故障が発生した場合、具体的にどの様にすれば良いのか?何れのタイプの場合でも先ず行うことは回避行動を取ることです。ここで言う回避行動とは、
 ・敵から遠ざかるために移動する
 ・遮蔽物の陰に隠れるために移動する
 ・既に敵に知られている自分の位置から離れる
といった行動のことです。勿論、回避行動だけでは不十分な場合が殆どです。こちらから弾を飛ばさない間は向こうから弾が飛んできます。従って、自らの生存率を上げるためには、
 ・仲間の援護射撃下で移動する
 ・拳銃などにトランジッションして射撃しながら移動する
といった応戦もここで言う回避行動に含まれます。

 恐らくこの段階で既に実戦的な射撃訓練に慣れていない方は、やり方の違いに戸惑っているかと思います。なぜなら、通常の射撃訓練や検定射撃では安全管理の観点から、引き金から指を離して銃口を的方向に向けたまま安全装置を掛けて故障の状態を確認する、といった手順が義務付けられており、その場から動くことは同じく安全管理上の理由から「危険」とされているからです。ですが実戦においてはこの様な安全管理上の手順こそが危険です。それは、実戦での最優先課題は敵から撃たれ難くすることであり、その為には遮蔽物を巧みに活用するか、脚を動かし続けて敵から狙われ難くする回避行動が必要であるからです。
 
 どれだけ訓練を積んでも故障排除にはある程度の時間を要します。どれだけ訓練を積んでも、故障排除には弾倉交換やトランジッションよりも長い時間を要します。よって故障排除は、
 1)遮蔽物の陰に隠れて実施する
 2)遮蔽物がない場合は、回避行動を取りながら実施する
の2つの選択肢しかありません。これを自分が今置かれている状況でどちらがベストかを瞬時に判断し、素早く実行することが求められます。

 では、次回は上記2つの状況下での故障排除要領を説明します。
(3)に続く


 SWTでは標的の中心に弾痕を集める様なトレーニングは提供していません。よって、純粋に射撃の成績を上げたい方にはもしかすると不向きかも知れません。反面、SWTのコースが教える内容は銃を持った敵に対して銃を使ってどう戦うのかに特化していますので、実戦で如何にして生き残るのかを模索されている方に対しては、自身を持って受講をお勧めしています。



Posted by Shadow Warriors Training at 21:49 │小ネタ