2016年02月07日

トレーニングに必要なリアリティーとは?(1)

トレーニングに必要なリアリティーとは?(1)
 トレーニングはただ単に昔から引き継がれた内容を業務的に継続させるものではありません。現実世界での事件や戦術のトレンドを研究し、それに対抗するための技術や知識を身に付けさせることが求められます。SWTにトレーニングを受けに来られる警察官や自衛官は良い意味でそれぞれの組織のやり方に馴染んでおられますが、悪く言うと組織が提供する訓練から脱却するには外からの助言を必要とされています。勿論SWTのトレーニングを受けに来られる方々は柔軟な考え方と開かれた心を持っており、従来のトレーニングとは180°異なるやり方を示しても十分に付いてきて習得するだけの適応力を持っています。

 よくあるケースが、ターゲットを斜めに掲示したりすると違和感を覚えるようです。確かに警察でも自衛隊でも標的は真直ぐ貼り付けて、人型標的であれば地面に対し垂直に立てた状態で射撃訓練を行います。しかし、現実世界で必ずしも標的である敵兵やテロリストなどが真直ぐに立っているとは限りません。地面に這い蹲って駐車車両の影から攻撃してきたり、窓から体の極一部だけを露出させて大部分を強固な壁で護るように斜めに立っていたりと、生きている人間を相手に闘う場合は相手が直立不動の姿勢で立っている方がむしろ不自然です。

 伝統的とも言える射撃訓練では人型標的であれブルズアイ標的であれ、出来るだけ的の中心に着弾させて高い点数を取ることが目的と化しています。しかし、現実世界における生きた人間を相手にした撃ち合いでは必ずしも身体の中心を狙うとは限りません。現実世界での目的は「生存」することであり、その手段として必要な事は、相手の体勢を問わず撃つべきところに着弾させることにあります。よって、貼り付けられた標的の向きが真直ぐであろうが、斜めであろうが、真横であろうが、高い点数を取ることを目的としないタクティカル・トレーニングにおいては何ら問題がないと考え方を瞬時に切り替えれるか否か?インストラクターの立場から言えば、切り替えさせることが出来るのか?がリアリティーを追及する上で重要となります。
(2)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 23:57 │小ネタ