2014年03月18日

ロー・ライト

ロー・ライト
 前回のFR1でライトについて質問がありました。時間の都合上、極めて簡単に答えるだけしか出来ませんでしたが、おそらくどの国のどの部隊でも、やらなければと解ってはいても時間をかけていないトレーニングと言えばロー・ライト(低照度)訓練だと思いますので、手短に書きたいと思います。

 昼夜を徹して訓練できる環境があれば別ですが、自衛官、警察官、海上保安官の大部分はサラリーマンと同じ時間帯で仕事(訓練)をしていますので、当然のことならがその間太陽は昇っています。1日のスケジュールを昼夜逆転させるか、低照度環境を造れるインドア訓練施設がない限り、残念ながら積極的にロー・ライト訓練を実施するには至らないのが現実です。

 市場にはありとあらゆる商品が出回っていますが、全てが使い物になるとは言えません。また、官公庁では基本的には官品を使うのが基本であることから、レールシステムなどを勝手に取り付けることは出来ません。また、残念ながら官品のライトは戦術的運用には不向きです。となれば、出来るだけコストを掛けずに個人で手に入れることができ、しかも官品を「改造」することなく使用できるライト(及びアクセサリー)が必要になります。

 そこで重要なのは巷にあふれる新商品に惑わされないことです。フラッシュライトの技術も日進月歩ですが、だからといって「最新型」が最適とは限らないのです。戦術用フラッシュライトに必要な要件をここで列記するのは避けますが、その中の1つに「堅牢性」があります。この堅牢性は「対衝撃性」だけでなく「耐熱性」も含みます。

 ライフルに取り付ける場合は銃口の側に取り付けることになります。たった数発しか撃たないのであれば影響はほぼ皆無ですが、数十発~を撃つとなると銃身からの熱の影響をモロに受けます。

ロー・ライト

 上の写真は私の仲間が買った某メーカーの新型ライトです。樹脂製のボディーが銃身からの熱に負けて溶けてしまいました。回転式の切り替えスイッチが溶着してしまい、消灯できなくなってしまいました。フラッシュライトを使用する際にはこの様な影響を十分に考慮する必要があります。樹脂製が悪いと言っている訳ではありません。樹脂製の場合はそれなりの対策(耐熱措置)が必要であると言っているのです。

 エアガンと使うだけならどんなフラッシュライトでも構いません。しかし実銃と使う必要がある公務員にとっては死活問題です。低照度環境では銃以外にライトに自らの命を預けることになりますので。点けたい時に点かない、消したい時に消えないでは命が幾つあっても足りません。公務員の皆様は今一度お持ちのフラッシュライトの特性と限界を理解して下さい。



Posted by Shadow Warriors Training at 16:53 │小ネタ