2023年10月09日

ダブルタップの実用性(3)

ダブルタップの実用性(3)
 ここで疑問が生じるかも知れません。ダブルタップとは1度のサイトピクチャーで2回撃発するので、1度だけ照準することが出来れば2回撃てるのでは?ですが紙の的相手ではそれが出来ても、人間を相手にした訓練ではそれが出来ません。何故か?それはある意味訓練で染み付いたものが原因だからです。

 2発目が当たらなくてもいい、敵に向けて撃てば相手を足止め出来るだろう。

 完全に彼我が分かれた状況で、いわゆるダウンレンジには敵以外誰も存在しないのであればその様な考え方に切り替えても問題ないかも知れません。しかしながら、敵味方だけでなく第3者も混在する市街地戦などではそうは行きません。テロリストであれば話は違いますが、警察官や軍人(自衛官)にあっては、当たろうが外れようが自分の銃から発射された弾の1発1発全てに法的責任が問われます。その教育やメンタルな部分がある意味「足かせ」となり、弾が外れるかも知れない状況において引き金を引くことを脳が指を許しません。

 よって、動きの中、あるいは動く相手に対して2発目が外れるかも知れないと脳が意識すると、紙の標的を相手には可能であったダブルタップが実行出来ず、1度のサイトピクチャーに対して1回の撃発だけとなってしまいます。更に、時間的な余裕があった場合でも、1発目の後に2度目のサイトピクチャーを得て2発目を撃つ、テクニックの名称としては「コントロールドペア/Controlled Pair」になるのが殆どです。

(4)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 23:30 │小ネタ