2017年11月04日

リロードとトランジッションについて(3)

 では、リロードの際に安全装置を掛けるか否かの論争を巻き起こしましょう。更に言うなれば、トランジッションの際と、プライマリーの故障時における安全装置の扱いも含めます。

リロードとトランジッションについて(3)
 "This is my safety"と言いたいところでしょうが、リロードと故障排除は実は注意義務違反に伴う「暴発」が最も起こりえるタイミングであり、無用な損傷や損害を与えたくないのであれば、安全装置を掛けるべきです。このやり方は、デルタ出身のKyle LambやPat McNamara、Larry Vickersもその様に行っており、彼らのクラスで教えています。"This is my safety"とはあくまでも映画の中の例え話であって、デルタであろうがMARSOCであろうが、銃を構えたり下ろしたりする際には安全装置を掛けるのが鉄則です。ただし、何事にも完璧はないので安全装置を過信することなく、最終的には自分の人差し指に細心の注意を払うことに変わりはありません。

 では、トランジッションの際は?正直なところ部隊のSOPによりますが、完全に弾切れであることが確認出来ていれば安全装置を掛ける必要は特にありません。引き金を不注意に触れようが、弾が入っていませんので暴発のしようがありませんので。しかしながら、故障なのか弾切れなのか見分けが付き難い場合もあります。よって、どちらの状況でも周りに危害を加えるリスクを下げて安全にプライマリーを吊り下げるためには、安全装置を掛けるのが望ましいです。

 リロードとトランジッションについて(3)
 この説明をすると、「チェンバーチェックにて弾切れか故障かを判断するので、違いは明確に分かる」と言う人もいるでしょうが、その様な人は自分のやり易い理想的な環境でしか射撃したことがないのでしょう。一時期、某Chris Costaの影響で猫も杓子もチェンバーチェックを意味もなくやっていた姿を見ましたが、あれで何が見えていたのか疑問です。スライドが空いているのを確認していたのか、チェンバーが空であるのを確認していたのか、引き金を引いても撃発しないがスライドが閉じていたので不発や遅発は一切考慮せずに閉じたスライドだけを見て弾切れと認識していたのか、はたまた疑問です。更に、SWT的に言わせてもらうと、チェンバーの状態が確認出来るのは半日だけです。チェンバーチェック症候群を患っている人には、是非とも日の入りから日の出までの時間帯に訓練してもらいたいものです。
(4)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 13:53 │小ネタ