2017年10月29日

リロードとトランジッションについて(2)

 ではリロードの際に留意すべき重要なことは何なのか?弾切れを起こした訳ですので早く次弾を発射出来る状態にしたいと気持ちが焦ります。エマージェンシー・リロードやスピード・リロードと呼ばれるだけあって、動作の速さが重要かと思われがちですが、実際のところはリロードで最も重要なのは確実性です。焦ったことにより弾倉を落としたり確実に装填出来ないとなると、素早かったはずの動作は無駄となり、結局のところもう一度やり直すことに繋がります。またリロードを失敗したと気付いた際に、正しい行動が取れるか否かが生存への鍵となります。

リロードとトランジッションについて(2)
 では昼夜や天候を問わず、確実なリロードを実施するにはどうすれば良いのか?先ず挙げられるのは、銃の保持要領です。次弾発射へのタイムラグを短縮することを理由に、銃口を敵に向けたままリロードを行う方法もありますが、個人的には勧めていません。SWTでもその様なやり方は教えていません。その理由は、このやり方は停止間では確実さと速度を両立出来るかも知れませんが、移動間では両立どころか思う様にいきません。アイアンサイトやスコープを覗いた状態では、身体から離れた位置に銃の重心があります。レーザーやライトなどのアクセサリーが多いほど、重心は銃の前方へと移ります。その状態で移動を続けると、移動速度の増加に伴って片腕のみで支えた銃の銃口が大きく上下移動します。 そうなれば照準も疎かになり、銃口を前へ向けて構え続けていたことの意味がなくなります。

リロードとトランジッションについて(2)
 よって、停止間でも移動間でも、銃を身体に引き寄せた状態で行うリロードが、経験上最も信頼できるやり方であると言えます。確かにこのやり方ですと、リロード完了後に再照準するまでのタイムラグはあります。ですが、移動時に確実に銃を保持して装填動作を行うことの重要性を理解していれば、こちらのやり方がより優れていることが理解頂けると思います。お判りにならない場合や銃口を前へ向けたやり方の方が優れていると主張されるのであれば、撃発せずとも空撃ちで結構ですので、以下のドリルを実施してみて下さい。

 1.弾切れを起こした位置から遮蔽物の陰へと移動する間にリロードを行う。ただし、敵に狙われ難くするために必要な速度で移動する。
 2.前後左右の何れかの方向へ移動しながらリロードを行う。ただし、起伏や傾斜のある不整地にて行う。

 これを試してみれば、射場で有効なやり方と戦場で有効なやり方の違いがハッキリと見えるはずです。
(3)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 19:24 │小ネタ