2016年07月17日

対車両テロ戦術

対車両テロ戦術
 フランス・ニースでのトラックを使用した事件について、テレビやネットなどでは一部の専門家と称される者達から「国内でも模倣される危険性が十分にある」などと言われていますが、今更何を言うとるねん!と突っ込みたくなります。

 というのも、少し記憶をたどるだけで、
 ・下関駅に車で駅構内に突っ込んが男により次々と人がはねられ、降車した後も刃物による殺傷が行われた事件(1999年)
 ・仙台市内のアーケード街に男がトラックで突っ込んで人を次々とはねた事件(2005年)
 ・秋葉原でトラックに乗った男により人々がはねられ、降車した後にも刃物による殺傷が行われた事件(2008年)
 ・車に乗った男がマツダ本社工場の敷地に侵入し、次々と従業員などをはねた事件(2010年)
といった具合に、車両が凶器として用いられた事件が日本国内でも発生しており、多くの方々が被害にあっています。

 勿論これらはテロ組織とは全く繋がりのない、いわゆる「キチガイ」によって起こされた事件です。しかしながら、銃器や爆発物の入手が様々な規制によって困難な日本においては、車は刃物よりも短い時間で多くの人々を犠牲に出来る手段として容易に入手・利用されています。これらの事実を今回のニースでのテロ事件と区別して、これから日本でも同様の手口で・・・と言っている奴らは一体何の専門家なのか?非常に疑問です。

 では、一般人として、もし普段生活に使用している道路で突然狂ったように蛇行する車両が向かってくるのが見えたらどうすべきか?確実に車両をストップさせることが出来る強固な構造物がない場合は、向かってくる車両から逃げるしかありませんが、逃げ方を戦術的に考える必要があります。車は既にこちらに向かって進んで来ているので、逃げようとして車の進行方向と同じ方向に向かっていくら早く走ったとしても、直ぐに追いつかれて被害者の1人になってしまいます。ここで言う戦術的な逃げ方とは、向かって来る車両に追いつかれない方法と方向に逃げることを表します。具体的には、車両が通れない幅の隙間を通って逃げることや、車両にとって極めて方向転換し難い方向へ逃げるといったことです。

 勿論この様な回避行動を取るためには、周囲の異常にいち早く気付く必要がありますが、そのためには顔を上げた状態で歩いていることが絶対条件です。スマホをいじりながら歩いていたりすると、周囲どころか正面すらまともに見れていませんので、テロであろうがキチガイであろうが薬物中毒者であるが、危害を加えることを目的として向かって来る連中の存在にすら気付かないでしょう。犯罪でもテロでも生存へのカギは腕力でも火力でも速力でも跳躍力でもありません。第1かつ絶対的に必要なものは、注意力です。
(2)に続く



Posted by Shadow Warriors Training at 22:58 │小ネタ