2015年05月31日

ワンハンド・ガンハンドリングについて(3)

ワンハンド・ガンハンドリングについて(3)
 片手での銃の操作時によく見られる光景が、弾倉や操作中の銃を見ている(顔を向けている)ことです。練習の最初の段階では動作の確実性のためにその様なことも必要ですが、顔(目線)は正面や周囲に向けたまま操作出来るようになる必要があります。上の写真の射手は操作中の銃を見ていますが、これは戦術的には誤りです。

 敵がまだ周りに存在する(或は可能性が1%でもある)以上、不意を突かれないためにも周囲の警戒は絶えることなく続ける必要があります。しかしながら、操作中の銃などを凝視してしまうと、警戒能力は自ずと下がってしまい、下手をすると知らない間に回りこまれたり撃たれたりします。地底人と戦っているのであれば地面を注視しておく必要がありますが、地上を移動する敵と戦っている以上、目線や顔を下げることは極力避ける必要があります。

 また片手で拳銃の装填や排莢不良を解消させる際に、立膝の姿勢をとってブーツの踵に排莢口や照門を引っかけてスライドを引く手法を教えるスクールがありますが、経験上その手法は実戦的とは言えません。その様な手法を教えるスクールでは大抵の場合、奇麗に整備された芝生や土の射場で訓練をしています。戦場が市街地だけならほぼ問題ないでしょうが、野外では植生や泥など銃にとって故障の原因となるものが多く存在します。その様な環境で同じようにブーツの踵を使ってスライドを引くとどうなるか?
  1.ブーツに付着した泥が銃の可動部に入り込む危険性がある。
  2.下方に突き出した銃の銃口が地面の泥などに突っ込む危険性がある。
  3.膝を付いた場所が深い草に覆われている場合、銃の可動部に草などが引っ掛かる危険性がある。
とざっと3つもやってはいけない理由が挙げられます。

 そこで一番便利かつ安全な場所がベルトのバックルですが、勿論手探りでバックルに照門を引っかられるように訓練する必要があります。さらに繰り返し行うとファステックスのバックルは直ぐに壊れてしまいますので、金属製のバックルが好ましいです。

 その他、全ての手法や手順にはやる理由・やってはならない理由がありますが、ここで記載するには時間がかかり過ぎますので省かせて頂きます。詳しく知りたい方は、一度トレーニングを受講して下さい。

終わり



Posted by Shadow Warriors Training at 21:04 │小ネタ