2014年07月11日

どうなるM9ピストル?

どうなるM9ピストル?
 さて、米軍ではM9ピストルに代わる新型拳銃(Modular Handgun System / MHS)への切り替えプロジェクトが再び勢いづいており、今月29日に銃器メーカー等を集めて詳細の発表を行うとのことです。M9は1989年に正式採用されたものの既に25年が経過しており、現代の戦闘環境にマッチしなくなってきたところも大きいようです。それを考えると89式小銃も・・・海空では64式やし・・・

 採用当初はスライドとロッキング・ブロックに強度上の問題があり、金属疲労によりスライドに亀裂が入って射撃中にスライドの後端部が射手の顔面に当たった等などのトラブル続きの銃でした。改良されて以降は問題なく機能する銃として米軍のサイドアームの座を守っていました。近年は一部部隊にSIG社製のM11ピストルが配布されていますが、今回のMHSはM9をターゲットとしている様で、M11がどうなるかは現段階では不明です。

 因みに「どこ」かは明言出来ませんが、在日米軍の一部の部隊ではM11が使われています。また、別の部隊ではS&W40口径を用いる銃が使われています。そこのあんた、個別にメールで「どこですか?」とか聞いてきてもアカンで。 If I tell you, I have to kill you...

 新型拳銃に求められているスペックとしては、命中精度、両利き用、人間工学的デザイン、アクセサリー(ライト、レーザーなど)の選択肢、堅牢性(耐用弾数35,000発)などが挙げられていますが、口径については未発表です。耐用弾数35,000発と言えば、日本ではとてつもない数に聞こえます。仮に毎年の検定射撃で50発撃ったとしても、700年使える計算ですから。しかし、実戦的訓練を行えば35,000発なんてあっという間です。逆に言えば故障や破損しても良い訓練用の銃を備えておき、壊れるぐらいまで訓練しなければ意味がありません。

 なお話はそれますが、米国本土のスクールでは1日あたり500発程度を撃つことは珍しくありません(コースによっては1,000発に達します)。逆に言えば、私の経験上ですが、米国本土において1日あたりの弾数が200発にも満たないスクールは教える内容が無い証拠です。そういったスクールでは、空撃ちで何度も何度も同じことを練習し、飽きてきたころにようやく実射を行います。

 今後このMHSがどういった方向に進むのか引き続きウォッチしていきたいですが、個人的にはやはりグロックを推したいです。ただ、グロックは工場出荷時になぜか樹脂製のサイトが乗っているので、金属製のコンバットサイト(XSサイトを推します)に付け替える必要がありますが。



Posted by Shadow Warriors Training at 21:57 │小ネタ