2014年05月28日

WDC6補足

WDC6補足
 さて、SATマガジンに寄稿していましたWarrior Development Course (WDC) ですが、契約期間満了に伴い第6回をもって掲載は終了となりました。よって、今後は当ブログにて継続して参ります。

 まあ、そう言いましても当ブログでも実銃目線からのコラムは以前から書いていますので、特にWDCとして継続するよりも、引き続き色々なトピックについて書いて行きたいと思います(相変わらず不定期ですが・・・)。

 とりあえずは、WDC第6回目の補足と行きましょう。射撃の際は、照星・照門を正しく併せた(サイト・アライメント)後に、標的の狙点にその合わせたイメージを重ねます(サイト・ピクチャー)。そしてその後の照準が、写真のような照門と標的がぼやけた状態で照星のみに焦点が合った状態(フロントサイト・フォーカス)となります。

 これはCQBでも狙撃でも変わりありません。このサイト・アライメント→サイト・ピクチャー→フロントサイト・フォーカスの流れを如何に早く行えるかによって、射撃速度(応戦/反応速度)を上げることが出来ますが、もちろん最後の段階までは引き金に指はかけません。銃器安全4則の1つに「標的に照準を合わせて射撃する明確な意思が確定されるまでは、引き金に指をかけない」があります。実はこのルールが最も重要で、これが破られると事故が発生する危険性が飛躍的にに上昇します。

 勿論、サイト・ピクチャーの段階で、他のルールである「標的の前後ならびに周囲に注意する」も守る必要があります。このルールを疎かにすると、第3者や味方に損害が生じることになります。

 サバイバルゲームであれば、味方に弾が当たっても「ゴメン」で済みます。しかし、実銃ではそうは行きません。実銃では、使用条件や使用者に関係なく、命中弾・非命中弾の1発1発に責任が発生します。命中弾に対してはそれが法的に許されたものであるかが問題となり、非命中弾であればそれがもたらした損害に対して法的責任を負うことになります。

 この「法的責任」が特に心理的な足かせとなることで、アメリカでも実に多くの警察官が現場で銃を撃つことをためらって、毎年多くの殉職者が出ています。現場の公務員の皆様が「腹をくくる」ことで「生存」出来ることをSWTは望んでおり、応援しております。



Posted by Shadow Warriors Training at 23:31 │小ネタ