2013年09月09日

タクティカル・ガンハンドリングとは?-前編

タクティカル・ガンハンドリングとは?-前編
 ガンハンドリングには2種類が存在します。1つめは管理的(Administrative)ガンハンドリングであり、もう1つは戦術的(Tactical)ガンハンドリングです。前者は公的機関の検定射撃や民間の射撃場で実施される、安全管理を最重視した、ある意味「ルール」的な方法であり、後者は戦場やタクティカル・スクールで実施される、戦術面を最重視した方法です。

 管理的ガンハンドリングの手順は以下のとおりです。
    1.銃口をダウンレンジに向け、ボルトやスライドを開放する
    2.弾倉を装填する
    3.ボルトキャッチやスライドリリースを解除して装填する
    4.プレスチェックを実施し、装填を確認する
    5.射撃する
    6.銃口をダウンレンジに向け、ボルトやスライドを開放する
    7.弾倉を取り除く

 安全装置のタイミングなどは割愛しましたが、大まかにはこの流れです。いかにも安全第一的な雰囲気が伝わってきます。もちろんそのはずで、事故があっては組織の訓練やレンジの運営に悪影響を及ぼすからです。この手順を守ると、引き金に不用意に指をかけたりしない限り、事故なく射撃をすることが出来ます。

 しかし、戦術的なことを考えると以下の疑問が生じます。
    1.戦場でのダウンレンジとはどこなのか?
    2.汗・雨・油・血液・体液・砂・泥などが手や指先に付着した状態で、ボルトキャッチやスライドリリースを指先ひとつで解除することが出来るのか?
    3.上記のような環境でプレスチェックを実施した場合、薬室などに異物を混入させることに繋がらないのか?
    4.銃撃戦では常に全弾を撃ち終わらない限り、新しい弾倉を装填することはないのか?
    5.次の戦いに備えて、新しい弾倉を常に装填させておく必要はないのか?

 管理的ガンハンドリングはクリーンで落ち着いた環境で実施されるものですが、戦場はそうとは限りません。特に2をシミュレートしたい方は、両手をサラダ油に浸してから普段のやり方で装填動作を実施してみて下さい。なおその際、事故防止のために実弾(やBB弾)は装填しないで下さい。また、3はグローブをしていた場合は銃内部の突起にグローブの指先を引っ掛ける恐れがあります。

-後編へ続く-



Posted by Shadow Warriors Training at 08:19 │小ネタ