2020年09月21日

トランスフォーメーション(1)

 コンボイ司令官がどうのとか、サイバトロンがどうのとかの話ではありません。今回話題とするトランスフォーメーションとは、軍隊などにおける部隊再編のことです。コロナ禍においてもSWTは海外の部隊や訓練機関との連携を「密」にしており、先日も現地時間に合わせるために夜中から朝方にかけてZOOMで様々な案件について意見交換をしておりました。その副産物といっては何ですが、年内中にLPを改定する予定です。アグレッシブな内容のLPを更にアグレッシブにすべく、再編しますのでお楽しみに。それに伴い、デモンストレーションをするための体力を維持するために、アラフィフの身体に鞭を打って今まで以上に体力錬成も続けているところです。

トランスフォーメーション(1)
 さて、部隊再編という事とで気になる話題が先日SOFREPに載っていましたが、もしかすると米陸軍特殊部隊(通称グリーンベレー)が各大隊に保有する緊急展開部隊を解隊するかも知れないとの内容でした。ご存知の方も多いかと思いますが、CIF(Commanders In-extremis Force)と呼ばれていた中隊規模の部隊です(現在はCRF、Crisis Response Forceと呼ばれています)。まあ、言ってみればSF以上、デルタ未満の様な部隊です。戦域軍に1個中隊が存在することで、ベンガジの様な米大使館襲撃などの事案があった場合に速やかに大使やスタッフの救出や敵性勢力の排除をすることが目的です。

 映画などでイメージされる特殊部隊の姿はもしかするとCIFのような部隊が最も近いかも知れません。SEALにせよ第75レンジャーにせよ、最新の装備を身に着けて次々に敵をなぎ倒していく様な姿が映画などでは描かれますが、その様な敵性勢力とガチンコでぶつかる事はDirect Actionと呼ばれ、実は特殊部隊の本来の任務のごく一部でしかありません。CIFはズバリDirect Action専門の部隊です。しかしながら陸軍には、対テロ戦や救出任務に特化したDeltaが既に存在しています。デルタ並みの訓練をCIFに施すには時間も予算もかかります。米軍は羨ましいくらいに潤沢な予算がありますが、それでも限度があります。将来の戦いに備えた武器や装備の調達を考えた際に、デルタと任務分担が重なるCIFが部隊再編の対象となってしまうのは仕方ない話かもしれません。

トランスフォーメーション(1)
 またSOFREPによると、陸軍特殊部隊内の潜水員課程も閉鎖の噂があるとの事です。フロリダ州キーウエストに専門の訓練施設があるのですが、長引く対テロ戦の中で担任地域が内陸へと移ってしまった海軍特殊作戦群を本来の海岸線からの浸透や急襲任務に戻そうとする動きがある中で、陸軍特殊部隊の潜水員の必要性が疑問視されているようです。まあ、そりゃそうでしょう。少なくともここ20年は市街地か砂漠か山岳地帯がメインの戦場でしたから、維持費だけでも莫大な金がかかるスクーバ課程の必要性が薄れるのは自然の流れかと…

トランスフォーメーション(1)
 せっかく友好国からの留学生も受け入れてくれますから、無くなると困りますね。(手前の手だけ写っている訓練性を含んで4人目に注目、同盟軍からの留学生です。)

(2)へ続く



Posted by Shadow Warriors Training at 21:52 │小ネタ