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Posted by ミリタリーブログ at

2014年04月06日

見える出血、見えない出血


 銃創の手当てでは傷口にガーゼ(ない場合は、手あたり次第に何でも)を出来る限り突っ込みます。何故か?何故傷口を塞ぐだけでは駄目なのか?それは上の写真を見れば明確です。

 よくあるゼラチンを用いた弾道テストの比較写真です。衛生分野に興味がなければ、口径と弾頭重量の違いによる貫通力の差だけに目が行くでしょう。しかし衛生の視点からは貫通力でなく、左側の進入口辺りを注目すべきです。着弾するとその運動エネルギーによってゼラチンが大きくえぐれていることが見えますが、人に当たった場合はこれが体内で起こるのです。

 よって入口と出口だけを塞ぐことは外出血を止めているだけであり、えぐれた組織からの内出血に対しては何ら処置を施していないことになるのです。見える出血(外出血)は時として見た者に焦りを生じさせます。しかし本当に怖いのは見えない出血(内出血)です。出血とは、体外に血液が出ることではありません。出血とは、血管外に血液が出ることを言います。

 従って、体の外側に出てきていないからと言って安心していると、このような空洞化した部位や胸腔・腹腔などに出血することで失血死することがあります。ですから銃創には傷口にガーゼなどを突っ込んで、内出血も止血する必要があるのです。

 因みに写真にある青いラインは12インチを示します。12インチ=約30センチです。人間の体を貫通するには十分過ぎる威力です。45口径は9ミリよりパワーがある...そんなものは迷信か都市伝説です。警察用・軍用に用いられる口径であれば、どんな弾でも十分な威力を有します。  

Posted by Shadow Warriors Training at 00:24小ネタ