2018年06月03日

コンバット・アキュラシー(3)

コンバット・アキュラシー(3)
 パート1・パート2で書いてきた様に、コンバット・アキュラシーとは例え狙った「点」を外していたとしても狙点を中心として効果的かつ最低限の誤差である「面」への着弾と言えます。そして、求められる精度を追及するために必要なのは、単に構えた銃で狙いを付けて引き金を引くといった「身体」が主体となった行動ではなく、自身が置かれた条件や周囲の状況を理解・判断して、無理に引き金を引こうとする「身体」をコントロールするといった「頭と心」が主体となった行動です。

 射撃においてテクニックは1割であり残り9割はメンタルである、とよく言われますがまさにその通りです。知識や理解、心構え(マインドセット)が全ての基礎であり、技術(テクニック)も戦術(タクティクス)もその基礎の支えなくして存在することは出来ません。

 戦闘射撃においては、
 ・敵の身体における「標的」の位置と大きさ
 ・敵までの距離
 ・敵の移動方向
 ・敵の移動速度
 ・自身の移動方向
 ・自身の移動速度
 ・敵の周辺の遮蔽物や第3者の状況
といった違いを理解し認識した上で、引き金をコントロールする必要があります。実際、撃ち合いが始まると身体が勝手に本能的に銃口を向けて引き金を引こうとします。しかしここでメンタルがフィジカルを制御しないと、敵に当たらないだけでなく敵を逸れた弾による被害を発生させてしまうことに繋がります。

 コンバット・アキュラシーにおける「許容範囲」とは、技術的な問題による狙点からの着弾の広がりを許すことではありません。その許容範囲とは、メンタル的にコントロールかつ予測された、意図した狙点からの着弾の広がりです。
終わり



Posted by Shadow Warriors Training at 23:10 │小ネタ