2018年02月05日

移動時の銃の構え方について(3)

移動時の銃の構え方について(3)
 つまり銃を構えるということは、混在間における数ある対象の中から脅威を正しく認識して、またその脅威レベルを正しく判断して、必要な措置として銃口を向けて「対処」する必要があると判断されることが前提条件と言えます。そして脅威の認識や脅威レベルの判断は、広い視界の確保なくして実現することは困難です。上の写真は実際のとある事件現場において犯行時に撮られたものです。ナイフを持った暴漢が無差別に人を次から次へと刺した事件ですが、この様な敵と第3者が混在する状況においてサイトやスコープを覗き込んだ状態で前進したところで、誰が脅威でどの様な武器を所持しているのかを素早くかつ正しく認識することが出来るのでしょうか?

 構えた銃は目線と同じ高さにあると思われがちですが、実際はサイトやスコープが目線と同じ高さにあって銃そのものは目線より下に位置します。そして銃本体によって目線の高さより下にあるものは銃が邪魔をしてサイトやスコープを覗き込んだ際には見えません。加えて脅威であるか否かの判断は人相や服装を認識によるものではなく、所持品が何であるかの認識によります。つまり、銃口を正面に向けてサイトやスコープを覗き込んだ状態では相手が何を所持しているのか100%確実に認識・識別することは困難となります。

 従って、脅威を認識・識別するまでは広い視野を確保するために銃口はハイ・レディかロー・レディにて構えることが望ましく、脅威を認識・識別した後に初めて相手の胸部や頭部を狙うように銃口を正面に向けてサイトやスコープを覗き込んで銃を構えるやり方が現実的です。レスポンス・タイムの短縮は確かに重要です。ですが、撃つためには敵味方の識別が絶対条件として必要であり、敵味方の識別のためには正しく相手が見えていることが大前提となる事を今一度認識して下さい。
終わり



Posted by Shadow Warriors Training at 00:06 │小ネタ