2018年01月15日

移動時の銃の構え方について(1)

移動時の銃の構え方について(1)
 市街地でも野外でも、上の写真の様に銃口を正面に向けてサイト(やスコープ)を覗き込んでいる構え方をよく見ます。この様な構え方は確かに突然現れる脅威に対して最短のレスポンス・タイムにて対処することが出来るかも知れませんが、果たしてレスポンス・タイムの短縮が最優先課題なのでしょうか?

 軍や警察の訓練だけでなく、民間訓練施設においても俗にスクエア・レンジやフラット・レンジと呼ばれる標的とバリケードを配置したスタイルの射場における訓練では、「脅威」として対処すべき標的が設置されており、停止間でも移動間でもその「脅威」へ銃口を向けることが云わばデフォルトの構え方となっています。これは、標的の場所が既に分かっており、それに対する素早い「対処」に主眼が置かれた訓練であることから、その様なシチュエーションでは問題化されていません。ですが、現実的なシチュエーションでは、特に敵味方と第三者が入り乱れた混在間では、「脅威」が何処から現れるのか分かりません。その様な状況下で銃口を真正面に向けた構えにて移動中に、突如として味方や第三者が眼前に現れた場合、銃器安全四則のうちの1つである「壊したくない物・傷つけたくない者に対し銃口を向けないこと」は守られるのでしょうか?

 誰にも銃口が向けられることが無いことが最優先課題とされるのであれば、銃口は真直ぐ上か下に向けたストレート・アップ又はストレート・ダウンにすべきでしょうが、それでは突然現れるかも知れない脅威への素早い対処は期待出来ません。そこで、撃ちたくない者に対しては銃口を回避しつつ撃つべき相手には素早く銃口を向けられる構え方として、ハイ・レディ又はロー・レディが用いられます。

移動時の銃の構え方について(1)
(2)へ続く


 話は逸れますが、今の世代の自衛官や警察官と訓練をする際に「ハイ」とか「ロー」とか言うと、EXILE系の映画(ドラマ?自分はCMしか見たことないので、よく分かりません)が頭をよぎる様ですが、私の様な40代半ばのおっさんは即座に愛川欽也の顔が脳裏にチラつきます... 



Posted by Shadow Warriors Training at 15:46 │小ネタ