2014年04月25日

大統領警護隊

大統領警護隊
 公開情報第3弾は、米大統領警護隊についてです。オバマ大統領が国賓として来日されてましたが、米国内外において大統領に随伴して警護を担当するのが大統領警護隊です。シークレットサービス(US Secret Service)=大統領警護隊と思われている方も多いかと思いますが、シークレットサービスには偽造貨幣の捜査部門もあります。よって、大統領警護隊はシークレットサービスそのものではなく、組織の一部です。同様に、警護課には警護隊以外に制服部隊も存在します。主としてホワイトハウスの警備に就いています。

 さて、米大統領は恐らく世界で最も命を狙われる危険性が高い人物の1人であると言えます。よって、警護隊は防弾リムジン1台だけでなく、警護部隊が車列を組んで警護にあたります。今回は、米国本土における米大統領警護隊の車列(Motorcade)の編成例を紹介したいと思います。

 先ずは地元警察による先導車両が3台。それぞれRoute(ルート)、Pilot(パイロット)、Lead(リード)と呼ばれます。ルートは5分前の露払い、パイロットは同じ目的ですが1分前、そしてリードが実際に車列を先導します。

 続いてリムジンが2台。勿論防弾仕様です。完全に同じ車両で、場合によってはどちらに大統領が乗っているか分からないようにします。もう一方は他のVIPを乗せるか、誰も乗っていない場合は囮の役目を果たします(誰か乗ってても囮に使われたりして...)。

 そしてSUV等が数台続きます。警護官が乗っている車両、軍との連絡官や医師が乗っている車両、電子偵察(不審な電波の調査・傍受など)を担当する車両、襲撃に対応する専門部隊(CAT/Counter Assault Team)を乗せた車両、沿道の警戒班との連絡を専門とする車両、車列にある車両間の通信を秘匿化するための車両、報道担当者を乗せた車両、急病発生に備えた救急車が存在します。中でも最も特徴的な存在が、核・生物・化学兵器に対するセンサーを備えた車両です。いかにもアメリカらしい感じです。

 車両の詳細な仕様や警護官の人数などはもちろん非公開ですが、ここまで位は公開情報として知られています。

 ところで大統領警護隊は、過去の大統領やその家族も警護対象に含みます。よって、現国務長官のヒラリー・クリントン女史は家庭や夫ビル・クリントンの妻として随伴する際にはシークレットサービスが警護を担当します。しかし、現役の国務長官として国内外を訪れる際には、国務省にある警護専門部隊(DSS/Diplomatic Security Service)が警護を担当します。



Posted by Shadow Warriors Training at 23:30 │小ネタ